...寄る辺(べ)定めぬ捨小舟(すておぶね)...
泉鏡花 「活人形」
...我々は彼が盲人の身で異郷に来て寄る辺もないのを気の毒に思い...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...さらでだに寄る辺(べ)ない女の身の...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...もとは檀家(だんか)の一人成しが早くに良人(おつと)を失なひて寄る辺なき身の暫時(しばらく)ここにお針やとひ同様...
樋口一葉 「たけくらべ」
...相手はいくらもあれども一生を頼む人が無いのでござんすとて寄る辺なげなる風情(ふぜい)...
樋口一葉 「にごりえ」
...寄る辺(べ)ない貧しさというものは嘘という武器をこれほどまでに強力に使うものか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...私の魂を寄る辺もない地獄の底へ吹き飛す勢ひで...
牧野信一 「鬼の門」
...知れたものだよ」と云って居るので到々広い世の中に寄る辺ないお久美さんは山田の「伯母さん...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...寄る辺(べ)なく...
吉川英治 「三国志」
...ただ一つの身の寄る辺と頼って来たのであった...
吉川英治 「源頼朝」
...その結果レイクは絶海の中に寄る辺無く投げ出される形になったのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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