...雪の黄昏を眺めた私の心のやるせない淋しさ――それは世界を掩うて近寄り来る死の蔭の冷(ひい)やりとした歩(あゆ)みをわれ知らず感じたのでした...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...寄り来る人々を手玉に取りながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...誓ふべし山の秘密を守るべし蛾よ我が路に寄り来る勿れ若葉の頃塩原での歌...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...とにかく海から寄り来るものはその種類を問わず...
柳田国男 「海上の道」
...いわゆるたまきの珠の時あって寄り来る楽しい浜辺だった...
柳田国男 「海上の道」
...草の楽屋に虫の下方(したかた),尾花の招引(まねぎ)につれられて寄り来る客は狐(きつね)か...
山田美妙 「武蔵野」
...われに諛(へつら)ひ寄り来るさへをかしきに...
夢野久作 「白くれない」
...此方(こなた)の山峡(やまかひ)より人魂の尾を引きて此(この)寺の方へ漂ひ寄り来るを物ともせぬ強気者(したゝかもの)に候ひしが...
夢野久作 「白くれない」
...切尖(きっさき)するどく詰め寄り来る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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