...冷やかな山懐の気が肌(はだ)寒く迫ってくる社の片かげに寂然とすわっている老年(としより)の巫女を見ては...
芥川龍之介 「日光小品」
...寂然と靜まりかへつた夜の盛岡の街を...
石川啄木 「葬列」
...實は其の何とも寂然とした月夜なので...
泉鏡花 「遺稿」
...湖心寂然として人世以外に別天地の意味を湛(たた)えている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...このくらい寂然としておりますと...
上村松園 「女の話・花の話」
...ある時はわれとわが寂然たる生命を笑ひ...
薄田泣菫 「独楽園」
...かうして寂然(じやくねん)としてかれが坐つてゐる間にも...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...寂然(じやくねん)として端坐してゐる如来像(によらいざう)...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...寂然とした裏通りを透して見てる眼に集っていた...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...木立ちが入り組んで森が深くなってる寂然(せきぜん)たる方面をながめ回すと...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今まで寂然不動のムクが...
中里介山 「大菩薩峠」
...余が頭(こうべ)をあげて蔦(つた)に古(ふ)りたる櫓(やぐら)を見上げたときは寂然(せきぜん)としてすでに百年の響を収めている...
夏目漱石 「倫敦塔」
...寂然(せきぜん)たるようすで立っていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...今まで寂然として顎(あご)の三角髯をひねってた...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...人気のないこの寂然たる殺人の現場に...
久生十蘭 「魔都」
...寂然と四方開いてゐて...
室生犀星 「名園の落水」
...そういって寂然(じゃくねん)と首をたれていたが...
吉川英治 「親鸞」
...寂然(じゃくねん)としてある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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