...深夜沈々寂然として物の音もせぬ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...雪を孕(はら)んで寂然(ひっそり)とした夜の厚い空気を顫(ふる)わせて...
橘外男 「生不動」
...身動きをすることすらが今のこの寂然とした美しい幻影を冒涜(ぼうとく)するような気持がして...
橘外男 「逗子物語」
...かうして寂然(じやくねん)としてかれが坐つてゐる間にも...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...寂然(じやくねん)として端坐してゐる如来像(によらいざう)...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...かれは寂然(じやくねん)として唯ひとりその室(へや)にゐた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...寂然(じゃくねん)たるローマ平野の波の末がその足下で消えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あとは寂然(ひっそり)として百匁蝋燭の炎(ほのお)がのんのんと立ちのぼる...
中里介山 「大菩薩峠」
...敷石の尽きた所に擦(す)り硝子(ガラス)の開き戸が左右から寂然(じゃくねん)と鎖(とざ)されて...
夏目漱石 「野分」
...主人萬兵衞の死骸は屏風の中に寂然と横たはつたまゝで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寂然(せきぜん)たるようすで立っていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...寂然たる中生代の湿原の中に響きわたった...
久生十蘭 「地底獣国」
...寧(いっ)そ寂然(じっ)としていた方が好(い)い...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...灰を被ったように寂然と並んでいた...
松本泰 「日蔭の街」
...ひとり寂然(じゃくねん)と坐っている女性があった...
吉川英治 「私本太平記」
...寂然(じゃくねん)とたちすくみ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そういって寂然(じゃくねん)と首をたれていたが...
吉川英治 「親鸞」
...冬の夜を寂然(じゃくねん)と...
吉川英治 「松のや露八」
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