...神寂びた宮居は寂然(ひつそり)として居る...
石川啄木 「葬列」
...寂然(しん)とした...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...湖心寂然として人世以外に別天地の意味を湛(たた)えている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...如来(ほとけ)はすでに三界の火宅を離れて寂然(じゃくねん)として閑居(げんご)し...
高神覚昇 「般若心経講義」
...雪を孕(はら)んで寂然(ひっそり)とした夜の厚い空気を顫(ふる)わせて...
橘外男 「生不動」
...有難いと思うか? 思うなら返辞をしろ」首はそれでも寂然として石の如く黙っていたが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...』しか宣すれば衆軍は皆寂然と鳴しづむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...寂然(じゃくねん)とした野の中に出た――森の前に控えてる樅(もみ)の木立にあちらこちら遮(さえぎ)られてる牧場だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...寂然(じゃくねん)として座を占めているのが弁信法師であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこに一面の池が寂然と横たわる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...寂然として安置されている...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...寂然としずまりかえっていた霊媒の上体がゆらゆらと揺れだし...
久生十蘭 「雲の小径」
...こゝにては今も除夜に眠らず、元旦に眠るが習なれば、万戸寂然たり...
森鴎外 「舞姫」
...寂然(じゃくねん)とひとりであった...
吉川英治 「私本太平記」
...そこには酒杯(さかずき)を絶った高綱の寂然(じゃくねん)たる瞑想(めいそう)のすがたがあったのである...
吉川英治 「親鸞」
...清十郎はその側に寂然(じゃくねん)と坐っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その間に壁の白色が、澄み切った明らかさで、寂然と、沈黙の響きを響かせていた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...東洋固有のあの寂然たる美を見いだすことはできない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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