...――四辺(あたり)は寂然(しん)...
泉鏡花 「活人形」
...如来(ほとけ)はすでに三界の火宅を離れて寂然(じゃくねん)として閑居(げんご)し...
高神覚昇 「般若心経講義」
...つゞいて奥に寂然(じやくねん)として端座してゐる本尊の如来(によらい)の像を微かに照した...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...然(しか)れども彼れ寂然(せきぜん)としてその心を動かさず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...街路は寂然としていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...寂然(じゃくねん)とした野の中に出た――森の前に控えてる樅(もみ)の木立にあちらこちら遮(さえぎ)られてる牧場だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...騒然たると同時に寂然として...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今まで寂然不動のムクが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ラ・メデュウズが白い波頭に巻かれながら寂然としずまっているのが見えた...
久生十蘭 「海難記」
...影さえ見たことのなかった輸送船が寂然たる港へ入って来て...
久生十蘭 「ノア」
...寂然たるようすであらわれだしている...
久生十蘭 「肌色の月」
...噴水の鶴は寂然たる青銅(ブロンズ)の羽根を張り...
久生十蘭 「魔都」
...午後は四時過でなければ帰って来ぬ連中(れんじゅう)だから昼の中(うち)は家内が寂然(しん)とする程静かだった...
二葉亭四迷 「平凡」
...という声が俄(にわか)に寂然(しん)となった座敷の中(うち)に聞えたから...
二葉亭四迷 「平凡」
...私は人気のない寂然(しん)とした教室で...
室生犀星 「幼年時代」
...家内は寂然(しーん)としていて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...寂然(じゃくねん)と...
吉川英治 「大岡越前」
...そこには酒杯(さかずき)を絶った高綱の寂然(じゃくねん)たる瞑想(めいそう)のすがたがあったのである...
吉川英治 「親鸞」
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