...寂寞(せきばく)は深まった...
有島武郎 「星座」
...冷ややかな湖面は寂寞(せきばく)として夜を待つさまである...
伊藤左千夫 「春の潮」
...日のかぐろひの寂寞(じやくまく)や...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...初めは微酔気味(ほろよいぎみ)であったのが段々真剣になって低い沈んだ調子でポツリポツリと話すのが淋しい秋の寂寞(せきばく)に浸(し)み入るような気がして...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...戸を開けて見ると文太郎は矢張り昨朝の如く一人寢臺の上に寢たまゝで室内は寂寞としてゐたが唯昨日と異る所はぱつちりと眼を覺してゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...夜は洞穴(ほらあな)に寂寞(せきばく)として眠った...
田中貢太郎 「仙術修業」
...寂寞をますます堪えがたいものとなすのであるが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...まったく寂寞(せきばく)たる場所だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...第五編 首尾の相違一寂寞(せきばく)の地と兵営コゼットの悲しみは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...宗教的悲哀美を論じて人生最高の理想的生活は寂寞たる放浪漂泊の生涯であると云ふやうな草稿を書いて居た時にも...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...寂寞と詩興とは一致して離すべからざるものであつたらしい...
永井壮吉 「冬日の窓」
...やがて寂寞(せきばく)の中(うち)に...
夏目漱石 「門」
...」といって出ていってしまった白々(しらじら)しい寂寞(せきばく)!彼女はこんなことをいったことがある...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...家(いへ)の内(うち)は引越(ひつこし)らしき騷(さわ)ぎもなく至極(しごく)寂寞(ひつそり)とせしものなり...
樋口一葉 「うつせみ」
...おそるべき寂寞...
久生十蘭 「地底獣国」
...それで山荘のうちはいっそう寂寞(せきばく)たるものになっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...寂寞が乱れてはならない...
室生犀星 「冬の庭」
...気味のわるい寂寞(せきばく)さに鳴りをひそめてゆく...
吉川英治 「江戸三国志」
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