...この寂寞は一日々々と長大して大毒蛇のように遂にわたしの霊魂に絡みついた...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...寂寞(じやくまく)として眠りたり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...寂寞(じやくまく)大海(だいかい)の禮拜(らいはい)して...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ようやく寂寞が再びあたりを領し...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...寂寞(せきばく)を感じ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...さらぬだに寂寞(せきばく)たる山中の村はいよ/\しんとして了つて...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...伯は政黨の首領たる故を以て毫も其の社會的境遇の寂寞を感ぜざるなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...周囲の寂寞(せきばく)さ……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...風もないし、小鳥も囀(さえず)らないし、寂寞とした、深い杉木立の中に、じっと、生きている墓を、睨みつづけていた月丸は(八郎太が、招いている)と、感じると同時に、綱手の死んだ時の血の臭が、鼻を掠めた...
直木三十五 「南国太平記」
...僕の心は寂寞としてとりとめもないむしやくしやしたものであつた...
長塚節 「開業醫」
...「寂寞(じゃくまく)の罌粟花(けし)を散らすやしきりなり...
夏目漱石 「三四郎」
...私は何とも云いようのない寂寞(せきばく)におそわれつつ...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...烈々たる寒風に吹き荒まれて目のあたりに魂を引き千断られる思ひの切実なる寂寞と...
牧野信一 「痩身記」
...私の寂寞は胸を去らうとしなかつた...
三好達治 「銀座街頭」
...其(その)音(おと)が寂寞(せきばく)を破(やぶ)つてざわ/\と鳴(な)ると...
森鴎外 「寒山拾得」
...とにかくに人居を遠く離れた寂寞(せきばく)たる別世界にも...
柳田国男 「山の人生」
...子供が俄かに母の手に帰つたので云ひ様(やう)もない寂寞を昨日(きのふ)からあの人は味(あぢは)つて居るのであるから...
與謝野晶子 「帰つてから」
...この寂寞(せきばく)を破る恐ろしい現実の突発を予想することが出来ようか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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