...――それは悉くわしの悲哀と寂寞とに辛(つら)い対照を造る愉悦...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...先づ其魂を襲ひ來る可き無限の寂寞と恐怖と無力(オーンマハト)の自覺とは眉を壓する許り鮮かに自分の想像に迫つて來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...便欲二相語一、恐二人知一レ之、避レ自二遊場一、蔭二松下一、携レ手促レ膝、陳レ懐吐レ憤、既釈二故恋之積疹一、還起二新歓之頻咲一、于レ時玉露抄候、金風々節皎々桂月、照処、涙鶴之二西洲一、颯松吟処、度雁之二東路一、山寂寞兮巌泉旧、蕭条兮烟霜新、近山自覧二黄葉散レ林之色一、遥、海唯聴二蒼波激レ磧之声一、茲宵于レ茲楽、莫二之楽一、偏耽二語之甘味一、頓忘二夜之将一レ蘭、俄而鶏鳴狗吠、天暁日明、爰童子等、不レ知レ所レ為、遂愧二人見一、化成二松樹一、郎子謂二奈美松、嬢子謂二古津松一自レ古著レ名、至レ今不レ改、所謂古史神話の源泉材料中に於ては、此種の説話を発見するを得ず...
高木敏雄 「比較神話学」
...為めに人をして寂寞を感ぜしめ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...風もないし、小鳥も囀(さえず)らないし、寂寞とした、深い杉木立の中に、じっと、生きている墓を、睨みつづけていた月丸は(八郎太が、招いている)と、感じると同時に、綱手の死んだ時の血の臭が、鼻を掠めた...
直木三十五 「南国太平記」
...路地裏の夜は宵の中より寂寞として犬の声三味線の音も聞えず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...終生旅の寂寞を追究して止まなかつた...
永井壮吉 「冬日の窓」
...巴里の繁華もモーパツサンの眼には人生寂寞の影を宿す処に過ぎなかつた...
永井壮吉 「冬日の窓」
...「寂寞(じゃくまく)の罌粟花(けし)を散らすやしきりなり...
夏目漱石 「三四郎」
...寂寞(じゃくまく)と昼間を鮓(すし)のなれ加減鮓は...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...木がらしの行方もしらにさはさはと音する枯草のひびき寂寞の影をやどせば敗れ岩ところどころに冬を行くいささ小川の悲しげなりや...
萩原朔太郎 「斷調」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...娘達は大嵐の起ろうとする前一刻の死んだ様な寂寞に身を置いて居る様な不気味さで互に袂のかげで手を堅く握り合ったり肩をぴったりすりよせたりして...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...寂寞が乱れてはならない...
室生犀星 「冬の庭」
...その音が寂寞(せきばく)を破ってざわざわと鳴ると...
森鴎外 「寒山拾得」
...――後は寂寞(せきばく)とした闇の風音...
吉川英治 「剣難女難」
...よけい寂寞(じゃくまく)の感が深かった...
吉川英治 「新書太閤記」
...寂寞(せきばく)たる闇の中に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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