...さながら白昼の寂寞(せきばく)に聞き入ってでもいるかのごとく...
芥川龍之介 「樗牛の事」
...隈(くま)なき日当りが寂寞(ひっそり)して...
泉鏡花 「瓜の涙」
...天地の寂寞(せきばく)も水難の悲惨も木綿子の心をば一厘たりとも冒すことはできない...
伊藤左千夫 「水籠」
...寂寞(じやくまく)としてまた幽に奇(く)しき畏(おそれ)の満ちわたる海と空との原の上...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...末路寂寞(せきばく)として僅(わずか)に廓清(かくせい)会長として最後の幕を閉じたのは啻(ただ)に清廉や狷介(けんかい)が累(わざわ)いしたばかりでもなかったろう...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...天地の寂寞を破りて...
大町桂月 「月の隅田川」
...室内は寂寞として廊下を行く草履の音が一つ近づいたかと思ふと又遠ざかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...廣い建物が寂寞としてゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...あんまり寂寞(せきばく)過ぎて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...夜は洞穴(ほらあな)に寂寞(せきばく)として眠った...
田中貢太郎 「仙術修業」
...どうすることも出来ないような漂泊(さすらい)の悲哀と寂寞(せきばく)とに包まれながら...
近松秋江 「狂乱」
...雨ふりしきりて門巷寂寞...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...芭蕉が旅の目的は寂寞であつて...
永井壮吉 「冬日の窓」
...寂寞(じゃくまく)たる空山(くうざん)の夕べを...
中里介山 「大菩薩峠」
......
三好達治 「山果集」
...小屋の灯はまたすぐもとの寂寞(せきばく)に返ってゆく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...僧門の枯淡と寂寞(せきばく)が身に沁みこんで...
吉川英治 「親鸞」
...しきりと天地の寂寞(せきばく)を翔(か)り立(た)てる暗い風があるばかりだった...
吉川英治 「親鸞」
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