...何事も宿縁とは申せ貴女があの道貞殿の問題をそのままにして...
今井邦子 「誠心院の一夜」
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内田魯庵 「八犬伝談余」
...あなたにかたづくという宿縁がございます」王は不思議な女の言葉に耳を傾けて聞いていた...
田中貢太郎 「蘇生」
...「宿縁だ、しかし、お前さんの欲念が深いからだ、だが、災難はもうすぎたらしい、これから杭州へ帰って、修身立命の人にならなくてはいけない、もし再びこんなことがあったら、湖南の浄慈寺(じょうじじ)に来てわしを尋ねるがいい、今、わしが偈(げ)を言って置くから、覚えているが宜い、本是れ妖蛇婦人に変ず、西湖岸上婦身を売る、汝欲重きに因って他計に遭う、難有れば湖南老僧を見よ、宜いかね、この偈を忘れないように」許宣は法海禅師に別れて、身顫いしながら帰り、親子橋の李克用の家へ往った...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...大体以上の如く主なる法然の門下或は宿縁ある人の行状を記し了った...
中里介山 「法然行伝」
...草木とは何の宿縁があったものか知りませんが...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...さすがに宿縁の深さも思われるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どんな深い宿縁があってのことかと思うのは身にしむことですよ」例のように薫は涙ぐんでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...きょうこそは宿縁の命を絶ってさっぱりしたいものだ...
室生犀星 「姫たちばな」
...同苦坊は、これも宿縁、自分も浄見寺まで同行して、一片の回向(えこう)を送ろうといった...
吉川英治 「大岡越前」
...下は宿縁あさからぬ古戦場だ...
吉川英治 「三国志」
...及ばずながら馬岱(ばたい)もおりますのに」「貴公もあくまで行動を共にしてくれるか」「ひとたび一つ旗の下に陣夢を結んだ宿縁からもあなたを離れるようなことはいたしません」「有難い...
吉川英治 「三国志」
...おもえば、初産の子といい、藤井寺で死なせた子といい、何の宿縁で、こんな薄命な親の下に生れ、笑顔一つ覚えぬまに、闇から闇へ、消え去って逝(い)ったのだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
...正成の手に拾われたその白骨だ……よほど宿縁……御寺(みてら)まで連れて行って...
吉川英治 「私本太平記」
...――後に思いあわせれば、これこそ、産土(うぶすな)の導きか、尽きせぬ宿縁か、それとも天が不言のうち、彼の人生の名残を尽させたものだろうか...
吉川英治 「新書太閤記」
...居所と作品の宿縁を考えてみると...
吉川英治 「随筆 新平家」
...宿縁というものじゃろ...
吉川英治 「茶漬三略」
...『これが不思議な宿縁(しゅくえん)でなくて何としよう...
吉川英治 「夏虫行燈」
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