...以二宿縁一世念二其願一頗重...
高木敏雄 「比較神話学」
...其山中の村が何だか自分と深い宿縁を有(も)つて居るやうな気が為(し)て...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...何たる「爺さん」との宿縁ぞや...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...悲劇的な宿縁の翳に禍いされ...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...幸も不幸ももろともにおし潰してしまう悲劇的な宿縁の翳といったようなものが感じられる...
久生十蘭 「新西遊記」
...どういう宿縁か古市加十はそこで或る怪しい人物に邂逅する事になる...
久生十蘭 「魔都」
...「ふびんな男、すて置くわけにもまいるまいのう、所詮(しょせん)手をつけたもの、宿縁によって、いかがでござろう、運び入れて遣わしては?――」異議はなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...さすがに宿縁の深さも思われるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分の悲しみでうつろになった心をいくぶん補わせることにはなるであろうと薫が思ったというのは宿縁があったものであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...でもね大将はどういう宿縁があるのか怪しいほど昔の恋を忘れずにおいでになってね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...見渡すこの谷間に絡りついた宿縁の根へ相当の風を吹き立てているのだとも想像されたりした...
横光利一 「旅愁」
...主従の宿縁今さらどうしようもない」「ないことはありません」満寵はすり寄って...
吉川英治 「三国志」
...おもえば、初産の子といい、藤井寺で死なせた子といい、何の宿縁で、こんな薄命な親の下に生れ、笑顔一つ覚えぬまに、闇から闇へ、消え去って逝(い)ったのだろうか...
吉川英治 「私本太平記」
...いかなる宿縁ぞや――などとよく若いさむらいは冗談に慨嘆(がいたん)するが...
吉川英治 「新書太閤記」
...これや天星宿地(しゅくち)の宿縁なので...
吉川英治 「新・水滸伝」
...宿縁、まことに奇と申すしかありません」「…………」ああそうだったのか...
吉川英治 「新・水滸伝」
...何か軽井沢の書屋(しょおく)と「新・平家」とは宿縁のふかい気がしてきた...
吉川英治 「随筆 新平家」
...――何の宿縁...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索