...宿縁に因つて佛法を信じ...
泉鏡花 「遺稿」
...浅からぬ三世の宿縁を繋いで居る女人の...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...理窟の解釈はつかない宿縁というようなものの催しでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...大体以上の如く主なる法然の門下或は宿縁ある人の行状を記し了った...
中里介山 「法然行伝」
...何たる「爺さん」との宿縁ぞや...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...念仏の行者はかかる宿縁においてつながるものとして原始歴史的自覚において...
三木清 「親鸞」
...宿縁のために他と結婚するようなことが女王にあっては遺憾を覚えるであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どんな深い宿縁があってのことかと思うのは身にしむことですよ」例のように薫は涙ぐんでいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これが宿縁というものか怪しいまで心が惹(ひ)かれているということをささやいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...きょうこそは宿縁の命を絶ってさっぱりしたいものだ...
室生犀星 「姫たちばな」
...(大正七年五月「同人」)おがさべり――男鹿風景談――山水宿縁この間信州へ行くつもりで...
柳田国男 「雪国の春」
...同苦坊は、これも宿縁、自分も浄見寺まで同行して、一片の回向(えこう)を送ろうといった...
吉川英治 「大岡越前」
...及ばずながら馬岱(ばたい)もおりますのに」「貴公もあくまで行動を共にしてくれるか」「ひとたび一つ旗の下に陣夢を結んだ宿縁からもあなたを離れるようなことはいたしません」「有難い...
吉川英治 「三国志」
...正成の手に拾われたその白骨だ……よほど宿縁……御寺(みてら)まで連れて行って...
吉川英治 「私本太平記」
...この九州と尊氏との宿縁もまた...
吉川英治 「私本太平記」
...これや天星宿地(しゅくち)の宿縁なので...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――そもそもおん身とおれとは、なんの宿縁か、まだ上人が日野の里で、十八公麿(まつまろ)と仰せられていたころからの学びの友でありながら――すでに、あのころから、おれは、おん身が嫌いだった、虫が好かなかった、おん身の学才が小癪(こしゃく)にさわっていた、そして事ごとに、おん身を苦しめることのみ考えていた」「そうだ……もうあれは四十年のむかしになる、しかし、瞼(まぶた)をふさげばまた、きのうのような心地もする」「三ツ子のたましいは百までもというが、その後、おれは父を亡(うしな)い、町にさまよい、叡山(えいざん)を追われ、家はなく、ただ知るのは、世間の人の冷たさのみで……おれの心はひねくれるばかりだった...
吉川英治 「親鸞」
...宿縁というものじゃろ...
吉川英治 「茶漬三略」
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