...均勢論の宿望を達しようという策動であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...僕は出獄したらすぐに多年宿望のクロの『自伝』をやりたいと思っている...
大杉栄 「獄中消息」
...各工場の職長に日本一の技術者を招聘(しょうへい)したいという私のかねての宿望を実現することになり...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...さていよいよ多年の宿望を果す日が来たかと...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...宿望の文学生活だけにうちこめると気負いたった気持だったのに...
田中英光 「さようなら」
...さすがの我も聊(いささ)か疲労しかつはまたこの上強(し)ひんには礼を失するに至らん事を虞(おそ)れせめてわが芝居道熱心の微衷(びちゅう)をだに開陳し置かばまた何かの折宿望を達するよすがにもなるべしと長々しき論文一篇を草しそつと玄関の敷台に差置きて立ち去りぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...某(それがし)儀明日年来の宿望(しゅくもう)相達し候(そろ)て...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...その内(うち)寛永十四年嶋原征伐(しまばらせいばつ)と相成り候故(ゆえ)松向寺殿に御暇相願い、妙解院殿の御旗下(はたもと)に加わり、戦場にて一命相果たし申すべき所存(しょぞん)のところ、御当主の御武運強く、逆徒(ぎゃくと)の魁首(かいしゅ)天草四郎時貞を御討取遊ばされ、物数(ものかず)ならぬ某(それがし)まで恩賞に預り、宿望相遂げず、余命を生延(いきの)び候(そろ)...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...播州へ帰る宿望を実現せずに...
柳田国男 「故郷七十年」
...曹操はそれよりもずっと早くから宿望の南征と呉への報復にもっぱら軍備の拡充を計っていた...
吉川英治 「三国志」
...宿望をとげようとするものなのに...
吉川英治 「私本太平記」
...御西上の宿望もさまたげられ...
吉川英治 「新書太閤記」
...多年の宿望たる相模(さがみ)の北条...
吉川英治 「新書太閤記」
...……では年来の御宿望...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼の宿望だった仏蘭西(フランス)へ洋行するために...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...宿望の恋人のほうも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...彼の宿望なンだ」と...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...私がまあ横瀬夜雨氏を訪ねたいと思っていたのは何という永い間の宿望だったろう...
若杉鳥子 「旧師の家」
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