...こうなるのも大方宿世(すくせ)の縁だろうから...
芥川龍之介 「運」
...民也(たみや)のためには宿世(すぐせ)からの縁(えん)と見える...
泉鏡花 「霰ふる」
...何事も宿世の縁と云ふやうにしか考へられません...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...日(ひ)のはじめより泣(な)き濡(ぬ)れし宿世(すぐせ)は似(に)たり...
薄田淳介 「白羊宮」
...―――ゆくすゑの宿世(すくせ)も知らず我がむかし契りしことはおもほゆや君北の方はこれにも返歌を与えたらしいのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...何事も宿世(しゅくせ)の因縁なりかし...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...おれとうらなり君とはどう云う宿世(すくせ)の因縁かしらないが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...短(みじ)かき契(ちぎ)りに淺(あさ)ましき宿世(しゆくせ)を思(おも)へば...
樋口一葉 「曉月夜」
...遂ひに右左り分つ袂の宿世なりけるを...
樋口一葉 「花ごもり」
...宿世の夢の結晶」とうたったひとがあるように...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...我が友よ! 宿世の縁とあるからは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...捨て迷うよりもこう定まったのも憂き世の宿世...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...自分の宿世(すくせ)が思い知られました故何も申し上げませぬ...
堀辰雄 「ほととぎす」
...どのような宿世(すくせ)であったか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...蚕一つすら養い得ぬ宿世(すくせ)を哀しみ犬に向いて泣きいると...
南方熊楠 「十二支考」
...よくよく宿世(すくせ)からの縁も浅からぬことと思われまする...
吉川英治 「新書太閤記」
...すくなくとも四十数年来――短い人の一生涯ほども宿世(すくせ)を経てきているのである...
吉川英治 「親鸞」
...ついに藤壺は罪の種を宿して「あさましき御宿世(すくせ)の程」に苦しみ悩む...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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