...何事も宿世の縁と云ふやうにしか考へられません...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...日のはじめより泣き濡れし宿世(すぐせ)は似たり花うばら...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...―――ゆくすゑの宿世(すくせ)も知らず我がむかし契りしことはおもほゆや君北の方はこれにも返歌を与えたらしいのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...おれとうらなり君とはどう云う宿世(すくせ)の因縁かしらないが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...倫敦塔(ロンドンとう)は宿世(すくせ)の夢の焼点(しょうてん)のようだ...
夏目漱石 「倫敦塔」
...◇上州吾妻宿世の縁か魚の棲めない川もある◇魚の棲めない吾妻川の水を眺めて暮らせとは山間特有の美人郷東京では素顔の女は滅多に見ることは出来ないが...
野口雨情 「大利根八十里を溯る」
...これも宿世(すくせ)の因縁といわねばなるまい...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...我が友よ! 宿世の縁とあるからは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ここで宿世といふのは従来の観念を借りただけで...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...こう云う物思いにもってこいのような栖をさえ自分から好んでせずにはおられなくなった自分の宿世(すくせ)の切なさと...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...自分の宿世(すくせ)が思い知られました故何も申し上げませぬ...
堀辰雄 「ほととぎす」
...どのような宿世(すくせ)であったか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...蚕一つすら養い得ぬ宿世(すくせ)を哀しみ犬に向いて泣きいると...
南方熊楠 「十二支考」
...かかる情けにあずかろうとは」「それも宿世(すくせ)の御縁でしょう...
吉川英治 「私本太平記」
...よくよく宿世(すくせ)からの縁も浅からぬことと思われまする...
吉川英治 「新書太閤記」
...これも宿世(すくせ)の約束ごととあきらめて下さい」源八は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...宿世(すくせ)のふかい縁などとは元より思いもしなかったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ついに藤壺は罪の種を宿して「あさましき御宿世(すくせ)の程」に苦しみ悩む...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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