...まるで二人(ふたり)の人が一つの肉体に宿っているかと自分ながら疑うような事もあった...
有島武郎 「或る女」
...しかし僕はどこかに不安の影が宿っているような気がしてならなかった...
海野十三 「海底都市」
...其の人間に宿っている興奮が手にとるようにアリアリと判る...
海野十三 「キド効果」
...彼等軍隊の上には神が宿っている...
大隈重信 「吾人の文明運動」
...〔慶應義塾には福沢先生の精神が宿っている〕私は先生が歿(ぼっ)するまで年をとるに従って愈々(いよいよ)交わりを親しくした友人である...
大隈重信 「明治文明史上に於ける福沢翁」
...福沢先生の精神が宿っているのである...
大隈重信 「明治文明史上に於ける福沢翁」
...妻より一層強気な決意がいつしか自分の胸の奥にも宿っていることをはっきり感じた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...僕は人間の心の底に宿っているヒュウマニティの精神を嗤ったことになるので...
辻潤 「ふもれすく」
...宿っているのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...些細なものにも幽遠な影が宿っている...
豊島与志雄 「「草野心平詩集」解説」
...深い陰がいつもより一層深々と宿っている...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...血眼(ちまなこ)で乗りつけた一行に果して関ヶ原以来の因縁が宿っているか...
中里介山 「大菩薩峠」
...嵐が宿っているのか? お前たちの全身は敏感に聴耳をたてているのか? 天上からの懐かしい歌声を聞きつけると...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...屋根の下に宿っているところを見つかって叱責されたというのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...千九百瓦の蛋白質の塊(かた)まりの中に宿っているのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...悪魔が宿っているのではないか...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...まことの霊魂が宿っているのではなく...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...人類のあらゆる光明とともに人類のあらゆる暗黒が宿っている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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