...存外(ぞんぐわい)熱も容易には下(さが)らず...
芥川龍之介 「病牀雑記」
...おもふに癸辛雑識は唐本にて且又容易には得がたき書なれば...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...容易にはまたとお目もじも叶(かな)うまじと存ぜられ候...
鈴木三重吉 「千鳥」
...あなたの側は何発でしたか?」しかしこれはそう容易には答えられなかった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...借りものを容易にはさめる漫才というものを軽蔑したのだが...
高見順 「如何なる星の下に」
...それがまた容易には実行出来ないのであります...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...あのくらゐのものを拵へるための踏張がやつて来れば愉快だな……?」「容易にはやつて来んね?」Mは頭を振つた...
田山録弥 「石窟」
...何かしらしみじみと「胸」に滲み込んでくるような感じが容易には起りにくい...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...一つの山から次の山へと移って行く道筋が容易には観客の予測を許さない...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...しかしI氏くらいの一流の俳優はそう容易には補充できない...
寺田寅彦 「試験管」
...当時の悪太郎どもも容易には接近し得なかったようである...
寺田寅彦 「物売りの声」
...街を歩いている時に通り合せた荷車の圧搾ガス容器が破裂してそのために負傷するといったような災厄が四十二歳前後に特別に多かろうと思われる理由は容易には考えられない...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...以上のごとく考えて来るとこの一見任意的であるかのごとき定座の定数やその位置がなかなか任意ではなくて容易には変更を許さないような必然性をもっているように思われて来るのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...容易には読めませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そういう人生への信従はもう容易には返されないのではなかろうか?……もう夜もだいぶ更けたらしく...
堀辰雄 「菜穂子」
...消すと容易には作れない火であった故に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...容易には復興せず...
山本笑月 「明治世相百話」
...母国によっては容易には課せられ得るものではないと言われるかもしれない...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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