...先人の用語は唯俺に都合のよい内容を盛る爲の容れ物に過ぎない〉――の對照は實に不思議なる宇宙の謎語である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...みんなてんでに容れ物を持って買いに行った...
上村松園 「四条通附近」
...何かよい容れ物があるまいかと...
太宰治 「パンドラの匣」
...陶器の容れ物ではあゝは行かない...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...それで尾根は背※で左右に方向の違う面をもつから、周りを雪で塗りつぶすと、大体左右相称の浮彫りとなり、その面の乱れが、種の容れ物、手などを現わすことになるのだろう...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...金属の波型模様の入った丸い容れ物があり...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...始めから自分の霊魂以外の容れ物に入れることができない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...墨汁の染みた海綿にペンを引っかけて容れ物を落したり...
矢田津世子 「茶粥の記」
...背の高いムシロで囲った容れ物を担って...
柳田国男 「故郷七十年」
...預けてある容れ物というのは...
山本周五郎 「季節のない街」
...「あの店で容れ物を求めますからいっしょに来てお呉れな」「近くならお宅まで持ってゆきますよ」少年は賢(さかし)げな眼でこちらを見た...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「容れ物をば出しなさい」翁はやはりだまって襟元(えりもと)を寛(くつろ)げた...
夢野久作 「近世快人伝」
...これらはおおむね月並みかそれ未満の精神の持ち主で――異様に高度な学識や並外れた精神的吸収力のための容れ物とは考え難い人々だった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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