...その反(そ)り返った家根の空へ無数の鴉(からす)をばら撒(ま)いている...
芥川龍之介 「疑惑」
...家根屋の持って来るような梯子(はしご)を伝って...
岩野泡鳴 「耽溺」
...二階の客がこツそり家根へ出て...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その度毎にとたん張りの家根はばり/\と音がする...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...しかし朝になってみるとあれほど龍宮城かなにかのように美しかった金色の家々がまことにきたならしい家根であって一向おもしろくないものであった...
上村松園 「余齢初旅」
...家根だの山だの丘などをぽつりぽつりと覚束なげに書いていった...
豊島与志雄 「過渡人」
...家根(やね)の上(うえ)へ棲(と)まって...
グリム 中島孤島訳 「杜松の樹」
...昼間なら家根は見えるんですが...
長與善郎 「青銅の基督」
...ただ見物したって何になるもんか」「夢窓国師も家根(やね)になって明治まで生きていれば結構だ...
夏目漱石 「虞美人草」
...左右の家の軒から家根(やね)へかけて...
夏目漱石 「門」
...堅固にして仆(たお)れざる如き家は家根を吹き飛ばされ...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...農夫海牛のやうな農夫よ田舍の家根には草が生え...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...鴉毛の婦人やさしい鴉毛の婦人よわたしの家根裏の部屋にしのんできて麝香のなまめかしい匂ひをみたす貴女はふしぎな夜鳥木製の椅子にさびしくとまつてその嘴(くちばし)は心臟(こころ)をついばみ瞳孔(ひとみ)はしづかな涙にあふれる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...高い家根の上で猫が寢てゐる猫の尻尾から月が顏を出し月が青白い眼鏡をかけて見てゐるだが泥棒はそれを知らないから近所の家根へひよつこりとび出しなにかまつくろの衣裝をきこんで煙突の窓から忍びこまうとするところ...
萩原朔太郎 「夜景」
...紋をつけた家根まで一ツ石でとってある...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...どうも母屋の家根がよく見えない土塀つづきだ...
長谷川時雨 「北京の生活」
...東北地方では同じく藁葺の家根草にまじって往々オニユリの花が棟高く赤く咲いていて...
牧野富太郎 「植物一日一題」
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