...「恐れ入りました」「そうだろう、足のある幽霊を抱えてるだろう、愚民を惑わして金銭を詐取するとは、不届至極の奴なれども、今日は格別の取計らいによって、宥しつかわす、早速故郷へ帰って、その幽霊どもに暇をやって、正道の宿屋家業をするが宜い、もしこの詞を用いずに、また幽霊を召抱えて人を惑わすようなことがあれば、今度はその方をほんとの足のない幽霊にするぞ」「恐れ入りました」「然らば小八とやらの伴れて来た幽霊にも、この場において暇をやり、小八には欺き執った金を返すが宜い」「恐れ入りました」主翁の右側に坐っていた小八は得意そうに笑って見せた...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...御宥免(ごゆうめん)あるべからず...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...妙子について半ば絶望的な気分にさえなっている幸子を宥(なだ)めた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...どこに不忠の嫌疑を冒(おか)しても陛下を諫(いさ)め奉り陛下をして敵を愛し不孝の者を宥(ゆる)し玉う仁君となし奉らねば已(や)まぬ忠臣があるか...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...宥恕(ゆうじょ)を求めながら生きた頭をうち振った...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...対抗しながらもいかにそれを宥恕(ゆうじょ)すべきものであるかを感じ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...宥(なだ)めたか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...宥(なだ)めたり制したりして...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...」宥快(いうくわい)は居る所の室を清音閣と云つて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...もののふの妻が――」舅(しゅうと)の宗円はそう叱っても決して宥(いたわ)りなどしなかった...
吉川英治 「黒田如水」
...やさしく宥(なだ)めた...
吉川英治 「新書太閤記」
...どう宥(なだ)めても...
吉川英治 「新書太閤記」
...と九叔の妻は泣き泣き良人(おっと)を病床に宥(いたわ)り寝かせた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...顫(ふる)えている亭主を宥(なだ)めているらしい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...まだ宥(ゆる)されまいが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...宥(なだ)めたり...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...沢庵は、ここぞと膝を向けて、「どうじゃな武蔵、同じ捕まるものならばわしの法縄(ほうじょう)に縛られぬか、国主の掟(おきて)も法だし、仏の誡(いまし)めも法だが、同じ法は法でも、わしの縛る法の縄目のほうがまだまだ人間らしい扱いをするぞよ」「嫌だ、おれは」奮然と首を振る武蔵の血相を、宥(なだ)めて、「まあ聞くがよい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...独り宥(なだ)めて落着いた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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