...折から日比谷の原の端(はず)れに客待ちしていた俥(くるま)を呼留め...
内田魯庵 「四十年前」
...五人焚火(たきび)をして客待ちをしております...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...高粱(こうりゃん)の鞭(むち)を鳴らして何か大声に罵りあいながら客待ちしているのが...
谷譲次 「踊る地平線」
...そこに客待ちをしながら正月のお飾りをこしらえていた二...
近松秋江 「狂乱」
...停車場前に客待ちのリクショウメンがいなくなって...
寺田寅彦 「軽井沢」
...客待ちの車夫に問うに...
寺田寅彦 「半日ある記」
...たった一人しょんぼり客待ちをしていた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...なにも人の家の玄関先で客待ちをしなくても...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...女郎が化粧して客待ちる……というその坂本の宿よりはなお十町も東に当る横川に...
中里介山 「大菩薩峠」
...暗い横町の檐下に客待ちしてゐる支那人車夫のうろん臭い顏附...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...弱い灯を受けつつ車体を横(よこた)えて客待ちして居る陰気な一台の円タクを指先で呼び寄せました...
西尾正 「陳情書」
...其処に客待ちして居る自動車を呼び寄て素早やく其の内に姿を隠して了いました...
西尾正 「陳情書」
...客待ちのタクシーが一台もみあたらぬ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...客待ちをしているところへ宿で訊いて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そのうちに中大工町(なかだいくちょう)のかどで客待ちしていた辻駕籠を二挺よぶと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...日向(ひなた)で客待ちしていた馬車までようやくたどり着いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...必ず毎夜のように一時間余も同じところに客待ちをしている自動車の側面に...
室生犀星 「幻影の都市」
...客待ちのさしずをしていた...
吉川英治 「平の将門」
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