...五十を越した実直な男で...
芥川龍之介 「ひょっとこ」
...一人の詰襟(つめえり)姿の実直な少年が下りてきて...
海野十三 「軍用鼠」
...実直な船員の方は?」「恐らくトゥリローニー君の選ばれた者でしょう...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...父ジョンはフランス人系統であったがむしろ遅鈍なほど実直なたちで鉛筆製造に精を出し...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...愚鈍といったところで、むしろいい意味の愚鈍でいやに才走ったところは少しもなく、実直な、鈍重な風格を備えているのであります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...……(物思わしげに)まったくあなたという人は、根が実直な、いい人のようじゃあるけれど、そのくせなんだかこう、不思議なところのある人だなあ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...それ以来これに代わるべき実直な奉公人が見付からぬ処からわたしは折々手ずからパンを切り珈琲(コーヒー)を沸(わか)しまた葡萄酒(ぶどうしゅ)の栓をも抜くようになった...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...そんな恐ろしい毒薬を手に入れようがありません」口不調法なほど実直な新助は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...実直な男というのは...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...実直な薄給のサラリーマンを驚くほど安い間代で止宿させていた...
久生十蘭 「金狼」
...鸛なんか王さまにしたおぼえのない実直な連中までが...
久生十蘭 「だいこん」
...実直なこの現実社会では...
久生十蘭 「魔都」
...もっとも、自動車屋の主人の話では、その男は、実直な男で、よく働いてくれたということでしたがね...
平林初之輔 「鉄の規律」
...実直な健全な尋常な人間は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...それに人間はまだ実直なのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...比較的には謹厳実直な人物であると信じられていた...
山本周五郎 「思い違い物語」
...実直な仕事をしているばかりでなく...
夢野久作 「爆弾太平記」
...今の天蔵の実直な眼を見ていると...
吉川英治 「新書太閤記」
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