...真の農夫は思いわずらうことをやめるであろう――リスが今年は森で栗が実ろうが実るまいが知らん顔をしており...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...稲妻が光る度に稲が千石ずつ実るという云い伝えがあるが...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...かつて庸三が丘に黄金色(こがねいろ)の蜜柑(みかん)が実るころに...
徳田秋声 「仮装人物」
...鳴戸蜜柑は枝が折れるほど実るし……...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...柚(ゆず)のよく実る沢井という村があります...
中里介山 「大菩薩峠」
...カンタロープが実るとは...
中谷宇吉郎 「アメリカの沙漠」
...わけても平右衛門町の佐渡屋――金の実る木を植えたと言われる両替屋の裏座敷には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...また広大なその庭園一帯は此又河内山の好みとして宛かも果樹園のやう果実の実る花木許りを雑然と植ゑちらしてゐたものであつたなどと云ふこと丈けは幼時亡祖母から繰返し/\聞かされてゐた...
正岡容 「下谷練塀小路」
...元魏の朝に、南天竺優禅尼(うぜんに)国の王子月婆首那が訳出した『僧伽(そうがた)経』三に、人あり、樹を種(う)うるに即日芽を生じ、一日にして一由旬の長さに及び、花さき、実る...
南方熊楠 「十二支考」
...実る自己完成の果実は...
宮本百合子 「大いなるもの」
...やがて葡萄の美しく実る地方を通って...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...悼詩ボンタン実る樹のしたにねむるべしボンタン思へば涙は流るボンタン遠い鹿児島で死にましたボンタン九つひとみは真珠ボンタン万人に可愛がられいろはにほへらりるれろああらりるれろ可愛いその手も遠いところへ天のははびとたづね行かれたあなたのおぢさんあなたたづねて すずめのお宿ふぢこ来ませんかふぢこ居りませんかこれはその当時...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...ボンタン実る樹のしたにねむるべしボンタン思へば涙は走るボンタン遠い鹿児島で死にやつたボンタン九歳(ここのつ)ひとみは真珠ボンタン万人に可愛がられらりるれろいろはにほへ...
室生犀星 「ザボンの実る木のもとに」
...秋に実るものがあればその美しい果実の色までを話した...
室生犀星 「津の国人」
...ぶどうの実る地方だからであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こういう所で実るのでさ...
横光利一 「上海」
...名物の桜ンぼが実るころ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...稲の実るころには大風と霖雨が続いた...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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