...耕土の流亡を免れない場所)それが実は官有地であって...
犬田卯 「荒蕪地」
...」「実は要らねえだつて...
薄田泣菫 「茶話」
...観音様の中店の「燗銅壺(かんどうこ)」といった料理店で夜食をしながら、師匠は少し言葉を改め、「幸吉、実は、今度、お前に骨を折ってもらわなくちゃならないことが出来たんだ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...………実は当人にしてみますと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...実は己(おれ)だって内々気にしてはいたのだけれど...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...――処が実は、すでに見た生産力の技術性も、それに基く技術学的与件や要求も(交通関係も戦争事情其の他も)、どれも現実的にはこの資本主義的生産機構か、それでなければ、之に対立する社会主義的生産機構かに包摂されて初めて、自然科学に対して一定の規定機能を振うのであった...
戸坂潤 「科学論」
...実は大衆的な文学と純粋な文学との区別ではなくて...
戸坂潤 「思想としての文学」
...実は単行本と非常に近い関係にあるものだということはすぐ判る...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...実は容易なものでないということだけが判った...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...実はもう八なんで御在ます...
永井荷風 「ひかげの花」
...あれが内実はお手がついたとかつかんとかで親里帰り...
中里介山 「大菩薩峠」
...針状といっているのが実は次に述べる角柱状のことであるのかも知れないと思われる...
中谷宇吉郎 「雪」
...どうして来た」「実は働いた事はないんです...
夏目漱石 「坑夫」
...男子が養子に行くも女子が嫁入するも其事実は少しも異ならず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...振姫は実は池田輝政(いけだてるまさ)の子で...
森鴎外 「椙原品」
...実はならなかったといい伝えております...
柳田國男 「日本の伝説」
...実は焼棄てられていなかった……ツイこの間まで御本尊の胴体の中に厳存していたのみならず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...じゃ教えてやるが、実は、あれや御城下の刀研(と)ぎ、大黒宗理(おおぐろそうり)の店先で、お前(めえ)が頼み刀(もの)をうけ取っている間に、道具箱からぬけだしていたんだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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