...不思議なようだが実に厭な気持になる...
梅崎春生 「風宴」
...「明智君、実に名論です...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...私は実に閉口した...
太宰治 「故郷」
...実になる、ならない、もへんなもので、むかし発電機の発明をして得々としていたところ、一貴婦人から、けれども博士、その電気というものが起ったからって、それがどうなるのですの? と質問され、博士大いに閉口して、奥さま、生れたばかりの赤ん坊に、おまえは何を建設するのだい? と質問してみて下さい、と答えて逃げ去ったとかいう話しがあるけれども、何千万年まえの世界には、どんな動物がいたか、一億年のちにはこの世界はどんなになるか、そんな話は、いったい実になるものかどうか...
太宰治 「答案落第」
...しかしそんなことはどうであっても彼らが蜜を集めているという事実には変わりはないのである...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...それ「武士は食わねど高楊枝」とは実に封建武士の気風を穿(うが)ちたるの俚諺(りげん)なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...実に気の毒な様であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...撓り按排(あんばい)が実に美的である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...……実にどうも、聞き捨てにならん事でありますから、その二人を呼びつけて厳しく叱責をいたしましたところ、その両人は一向に自説を翻えす模様がないのでござります...
久生十蘭 「魔都」
...穴にかゝつた私の草鞋は霜の地面に実にも筆力雄渾な滝の画を描いた...
牧野信一 「剥製」
...蘭山は実にここに二つの誤謬をあえてしている...
牧野富太郎 「植物記」
...定家(ていか)の糟粕(そうはく)をしゃぶるでもなく自己の本領屹然(きつぜん)として山岳と高きを争い日月と光を競うところ実に畏(おそ)るべく尊むべく覚えず膝(ひざ)を屈するの思い有之(これあり)候...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...黒海は実に目醒めるばかり碧紺の海の色だのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...生活の力と生長の力はその外皮の予想を克服して実に感覚として今日をとらえているということは何といううれしさでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...むしろ焼くが如き東洋の空にわれを送れよかし!むしろ凍れる大熊星の下をさまよわしめよ!(ルカヌス)* 史実によるとモンテーニュの祖先は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...またたび細工の負籠(おいかご)などにも実に見事なのがあって...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...それがもう、年中なんですからたまりませんわ」「こういう生活というものも、そう申しては何ですが、実に、お察しできますね」「わたし、何でもいいから、はやくこんな混濁した、心にもない、生活を抜け出して、ほんとに、力のある個性のもてる、家庭に生きたいと思いますわ」「そうでしょう、そうでしょうとも...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...いやもう実に迅速(じんそく)も迅速...
吉川英治 「黒田如水」
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