...何か充実している感じである...
太宰治 「散華」
...それも大分充実してきたので...
土田杏村 「私の書斎」
...第二には浴場の壁は普通の家のように音波を擾乱(じょうらん)するものがないためによく反響して声が充実して聞えるためだという...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...孤独の楽しみに充実して酔つてゐる事が出来た...
長與善郎 「青銅の基督」
...けれども部隊の力は充実していた...
本庄陸男 「石狩川」
...小さいながらも充実した文化をもつ人民の日本として...
宮本百合子 「木の芽だち」
...しかも充実した横溢性をもって溌剌としているところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...充実したエネルギーをもちつづけ得る人間だけが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今、時間は充実して、それ故きめこまやかに重く平らにすぎていて何といい心持でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それらの小説がつつましくしかし充実して登場することはわるい気持もいたしますまい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...古い美味な葡萄酒のように花の姿はかっちりと充実し...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...柿の実したたかに石に落ち...
三好達治 「測量船」
...充実した陶酔を味わった...
山本周五郎 「薊」
...充実したゆるみのない生活をあそばすとすれば...
山本周五郎 「桑の木物語」
...如何なる出鱈目でも嘘っ八でも決して他人に看破されない位に充実した鼻の表現でもって...
夢野久作 「鼻の表現」
...稲の花が結実しようとしている刻刻のころだから...
横光利一 「夜の靴」
...はるかにいのちの充実した真の生活だと思ったほど...
横光利一 「旅愁」
...この努力がたちまちに開花し結実したのはソクラテスの場合である...
和辻哲郎 「孔子」
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