...ころ ころ 小山の小兎(こうさぎ)はなぜに ころ ころ お泣きだえお母さんがないか実がないかお母さんは そばに いなさるし木の実は お山に あるけれど九十九人の猟人(かりうど)が九十九谷をとりまいて母子(おやこ)もろとも打つわいな...
竹久夢二 「春」
...桑は燕児の家へ往って探ろうとしたが口実がないので困った...
田中貢太郎 「蓮香」
...渋谷へ帰って来たばかりで又慌(あわただ)しく関西へ立つ口実がない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...第二系列の活動に見るような事実すなわち人の生理が分業に適する事実がないものとしても...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...しかしよく考えてみると今の世でも多少これに似た事実がないでもない...
寺田寅彦 「マルコポロから」
...事実がない処に、どんな意味の解釈もあろう筈はない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...しかし事実がないのでその後いずれも放免される事になった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...男に実がないのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...従って少くもあなたの云われることを嘘だと立証すべき事実がないのです...
浜尾四郎 「彼は誰を殺したか」
...夫婦のほうへ毎日出掛けていく口実がない...
久生十蘭 「黒い手帳」
...毎日六階の住人を訪問する口実がないことである...
久生十蘭 「黒い手帳」
...淡路島で死んでいるんだぜ」「それが北川千代です……働いていた事実がないとおっしゃいましたけど...
久生十蘭 「虹の橋」
...これより他にもっとよい口実がない筈はなかったが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...故に山吹には実がないといいます...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...眼をひたとむけて答えるに耐える現実がないことが感得されてきたからであろうと思う...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...「事実がないからないと云って...
宮本百合子 「刻々」
...それまで他の女に指一本からませた事実がない...
山川方夫 「演技の果て」
...逃亡してしまったような事実がないまでも...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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