...あまりに官能的なジャズの音...
海野十三 「諜報中継局」
...官能的な桜桃色の唇も相当なものである...
太宰治 「もの思う葦」
...抽象的精神的な要素の多い詩を作る人がある一方ではまた具象的官能的な要素に富んだ詩に長じた人もあるようである...
寺田寅彦 「詩と官能」
...芭蕉の句の中で単に景物を詠じたような句でありながら非常になまなましい官能的な実感のある句があるのは人の知るところであろう...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...要するにどちらも私にはかなりに官能的なものである...
寺田寅彦 「二つの正月」
...その官能的な鄙歌(ひなうた)を叱りつけてから...
中里介山 「大菩薩峠」
...音楽はきわめて官能的な芸術で...
野村胡堂 「楽聖物語」
...それは何といふ官能的な魅惑(みわく)でせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この集まりが官能的なものの追求であったにしては...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...すべての「官能的なもの」は...
萩原朔太郎 「青猫」
...葡萄酒やコオヒイや官能的な音楽や舞踏なぞにかもされた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...官能的な刺戟(しげき)が全身を浸し...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...官能的な幸福感におそわれ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その一念の官能的な刺戟だけが眠り残っていて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...揺らめきのぼって来る貴重な断片の翻える羽毛のような官能的な柔軟さに溢れている...
横光利一 「夜の靴」
...妙に官能的な音がした...
吉行エイスケ 「東京ロマンティック恋愛記」
...官能的な美に溺れて仕舞った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...官能的なる一切のものに対する不信の表白である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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