...ムッと咽(むせ)ぶような官能的な香気が...
海野十三 「振動魔」
...官能的な桜桃色の唇も相当なものである...
太宰治 「もの思う葦」
...芭蕉の句の中で単に景物を詠じたような句でありながら非常になまなましい官能的な実感のある句があるのは人の知るところであろう...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...要するにどちらも私にはかなりに官能的なものである...
寺田寅彦 「二つの正月」
...青江の官能的な圧迫を一々悪意にとって彼女を苦しめるには当らないじゃあないか...
豊田三郎 「リラの手紙」
...音楽はきわめて官能的な芸術で...
野村胡堂 「楽聖物語」
...それは何という官能的な魅惑でしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは何といふ官能的な魅惑(みわく)でせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すべての「官能的なもの」は...
萩原朔太郎 「青猫」
...あの明朗で官能的な詩人を表象するのも...
萩原朔太郎 「名前の話」
...また享樂――知性を曇らせ感情をしぼますやうな無情(むじやう)な官能的な――享樂のうちに幸福を求めて此處彼處と流浪します...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...葡萄酒やコオヒイや官能的な音楽や舞踏なぞにかもされた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...前よりも官能的な血が入って来た...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...理知的な事物から官能的な事物へ向ける...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...一種むせるような官能的なところもあって...
山本周五郎 「百足ちがい」
...こんな糜爛(びらん)した官能的な肉慾主義を謳歌(おうか)する一群の花畑がどうして咲かれたのかと怪しまれるほど...
吉川英治 「新書太閤記」
...官能的な美に溺れて仕舞った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...こういう官能的な現象で昔を想像するのはあまり気のきいたことではないが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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