...如何ニ安酒ヲ飲ムニ於イテ贅ヲ尽スニ於テ...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一三年六月号)」
...苦い安酒を浴びるほど飲んだのだ...
梅崎春生 「風宴」
...立飲み屋(ソンスルチビ)で安酒でも一杯ひっかけようと...
高見順 「いやな感じ」
...それでも矢張り他の町通と区別されるのは五十何軒もある木賃宿が、その間に煮込屋、安酒場、めし屋、古道具屋、紹介屋なぞを織込んで、陰欝に立列んでゐるのと、一帯に強烈な臭気が――人間の臓物が腐敗して行く臭気が流れてゐることであらう...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...何々上り! と知らせる声なぞの雑然とした――安酒場の給料日であるが――夜更けて...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...堀木と神田の屋台で安酒を飲み...
太宰治 「人間失格」
...安酒場の表で止めてくれと言いつけられまして...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...一合二十銭の安酒のせいか...
豊島与志雄 「在学理由」
...緑の水はわが樅の船体に滲むことだらう又安酒(やすざけ)や嘔吐の汚点(しみ)は...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...彼の最も愛好する安酒が彼の五官に浸透するに伴(つ)れ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
......
萩原朔太郎 「短歌」
...安酒に酔った私は誰もおそろしいものがない...
林芙美子 「新版 放浪記」
...長い事クリームを塗らない顔は瀬戸物のように固くって安酒に酔った私は誰もおそろしいものがない...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...あんまり安酒は飲まんがええで」「女に振られたけ...
火野葦平 「花と龍」
...日がないちんち安酒を食らって荒んでいた日の顔つきなんか...
正岡容 「寄席」
...旧知の急逝に私は銀座裏で安酒を煽って涙し...
正岡容 「わが寄席青春録」
...「やなぎ屋」のは安酒のなかの安酒で...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...その赤丸の印(しるし)の小樽には泰安酒(たいあんしゅ)が半分ほどまだ残っているだよ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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