...どうぞ一生安楽に暮せますようにと申しましてな...
芥川龍之介 「運」
...今に至ってその身その身安楽に妻子を扶助し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...「妾は――」綱手は、やっとしてから「何事も、諦めております」七瀬は、道中での、いろいろの危険、斬られた人、斬った人のことを、想い出すと、調所のいう通り、町人へ嫁入させ、一生安楽に、せめて、綱手だけでも送らせてやったら、と思った...
直木三十五 「南国太平記」
...故郷(くに)へ帰り余生を安楽に暮らそうというような量見(之が普通の南洋行商人の目的だ)を全然持合せず...
中島敦 「光と風と夢」
...安楽に暮していた面だよ」「嗜好の善悪とは...
久生十蘭 「蝶の絵」
...後生(ごしょう)安楽に余生を送ることになる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ソレにも拘(かか)わらず下さる丈(だ)けの家禄はチャンと下さって家族一同安楽に生活しました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...とにかく平担(へいたん)な道を安楽に歩かせたいと冀(ねが)うのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...その後二人は夫婦となりて安楽に暮らしをるさまをかくはつづりしなめり...
正岡子規 「俳諧大要」
...少し善ければそれで我慢して置いて安楽に往生するサ 迷わずに往ってくれたまえ...
正岡子規 「墓」
...一方に於て映画その他で多額の収入を得て贅沢に安楽に暮しながら...
三好十郎 「俳優への手紙」
...わたしの老年を何不自由なく安楽に過さしてくれそうな婿を一人見つけ出すことであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(b)我々が安楽に暮すのに...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これでやっと安楽になれるんだって」上り框にごろ寝をしていた平吉が...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...御安楽に思し召されませられいなあ」おひひひというのは笑い声であるがそのときは...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...その上に金が思う通りに溜まって一生安楽に暮されるという一種の邪宗門で...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...安楽に寝台で寝ていて下さい」と...
吉川英治 「三国志」
...生涯安楽にしてやるとは高(こう)大将軍家のおさしがね...
吉川英治 「新・水滸伝」
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