...安手な京焼の赤湯呑を引攫(ひっさら)うと...
泉鏡花 「薄紅梅」
...極(ごく)安手な早上(はやあが)りは別として...
薄田泣菫 「茶話」
...京都でもちよい/\安手なのが出来るものと見える...
薄田泣菫 「茶話」
...大森氏は小学教員のやうな安手な勿体振をつけて...
薄田泣菫 「茶話」
...政吉は安手の方の塗師重(ぬしじゅう)で済まして...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「これは体臭という一番安手な魔薬でもって真実を見る眼を失わしめるにもっとも好都合な初歩の手です...
戸坂潤 「思想としての文学」
...安手(やすで)に出て...
中里介山 「大菩薩峠」
...当店ではこういう安手なものを手がけたことはない...
久生十蘭 「悪の花束」
...天狗の羽根にしてはすこし安手です...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...まるで安手のチャブ屋のような見かけの家だった...
久生十蘭 「金狼」
...お上り遊ばして」安手な置床(おきどこ)のある二階の八畳で待っていると...
久生十蘭 「雲の小径」
...維納(ウインナ)風の安手な金箔をいたるところにくっつけた古い建物だった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...いさゝか安手なれど値も安しとのこと...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...さうしてそれは各町内へどんなに安手な近代の曙光を投げかけたことだつたらう...
正岡容 「大正東京錦絵」
...私の安手なところから起っていることで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...部屋の飾りつけもけばけばしく安手である...
山本周五郎 「落ち梅記」
...安手によく笑う侍は...
吉川英治 「私本太平記」
...七切通(ななきりどお)しの安手な娼家(しょうか)から一流どこの茶屋...
吉川英治 「私本太平記」
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