...予をして安坐せざらしむるを如何(いかん)...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...土曜の晩に朗讀會をしたら如何かと思ふんですが」と相島は男らしい安坐の膝を組み直して又快活な事を云つて居る...
有島武郎 「半日」
...大仏が膝を曲げて安坐をしているその膝頭(ひざがしら)がまるで三角になっている...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...草の上に安坐趺跏(あんざふか)して...
田中貢太郎 「神仙河野久」
...コンドルセーが山岳党(さんがくとう)のために獄に幽せらるるや、獄中に安坐して、死を旦夕(たんせき)に待つに際し、なお人類円満の進歩を想望(そうぼう)して、人生進歩の一書を著(あらわ)せり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...相変らず舟の一方に安坐して...
中里介山 「大菩薩峠」
...部屋へどっかと安坐すると...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここに安坐して二人の謀議を聞いている...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は又十日徒手安坐して之を一年半年若くは一ヶ月後に囘顧してそこに何物がある...
長塚節 「教師」
...くつきり晴れた朝の空に安坐する雲仙嶽の方に...
長谷健 「天草の春」
...細い脛を出して安坐で話しながら...
長谷川時雨 「三十五氏」
...傍床(わきどこ)の前に安坐(あんざ)を組んだのは...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...寛々(らくらく)と組んだ安坐の上に...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...大盤石の上に安坐する時は誇りが一切に代るのだ...
北條民雄 「独語」
...」障子を隔てた台所から聞えて来る親子の莫迦気た争ひを耳にして苦々しさを覚えながら純造は火鉢の前で安坐をかいて新聞に眼を曝してゐたが...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...従来地方の親戚知人より容態を問はるる事しばしばなれど一々詳細の返事もせざるため種々の誤解を来し、あるいは実際の病状よりは重く見て特に虚子抔(など)に手紙を贈りて安否を問はるる事あり、あるいは実際よりは極めて軽く見て、安坐は勿論、多少の歩行位は出来る者として漫遊を促し来り、俳稿その他の添削(てんさく)を頼み来る事あり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...富と安坐的生活法とによって...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...さてこそさてこそ、この者の智慧のほどこそ知られけり――だ、聞いたか、方々」と、手をうって、「主君をはじめ、われわれにも、遠く本城を出て戦えと命じながら自分は新野を守るといっておる、――安坐して、おのれの無事だけを守ろうとは……うわ、は、は、は...
吉川英治 「三国志」
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