...所詮下手は下手なりに句作そのものを楽しむより外に安住する所はないと見える...
芥川龍之介 「飯田蛇笏」
...僕などはこんなところにも都会らしい美しさを感じなければ外に安住するところはない...
芥川龍之介 「東京に生れて」
...併し自己の本質の中に活溌なるデイヤレクテイクを持つてゐるものは此の如き「自然」の境界に安住することが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...それに安住する事ができないでいる...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...段々安住する気になると思ひますが...
有島武郎 「私有農場から共産農団へ」
...人の悶々措(お)く能はざる極貧の境涯に淡然として安住するを得るに至れり...
石川啄木 「閑天地」
...この不可解に或る一定の解釈を与えて容易に安住するは「あきらめ」でなければイグノランスであると...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...容易に病気に安住することはできないのです...
高神覚昇 「般若心経講義」
...そこは善人の魂の安住するたのしい世界である...
知里真志保 「あの世の入口」
...正統的教養の楽園に安住する専門的物理学者の目から見れば...
寺田寅彦 「物理学圏外の物理的現象」
...婦人達は家族制度に安住する家庭生活の崩壊という犠牲を払うことによって...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...いうまでもなく彼等の生活意識は農業主義に一応安住するわけであるが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...其れから又た其中にはピュローン風な即ち凡てのことに付て中性的の態度を取つて何事も解决しないといふ所に安住するといふ樣な思想もある...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...彼等はその土地に民族として安住するであろう...
豊島与志雄 「故郷」
...民族は、自分の土地さえあれば、其処に安住する...
豊島与志雄 「故郷」
...主婦として安住する所から...
豊島与志雄 「理想の女」
...全然わたしのうちに隠居安住することである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...大衆文学という仕事では純文学と自認し安住する人にはちょっと分ってもらえない実社会面への顧慮やつらさがどうしてもここにおこる...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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