...この誤解に安んずることの出来ぬある新事実に遭遇(そうぐう)した...
芥川龍之介 「馬の脚」
...この義務感を安んずるためにはもう十分ばかり待たなければならぬ...
芥川龍之介 「早春」
...――或はこの孤独に安んずるより外に仕かたのないことを知った今日...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...依つて立ち依つて安んずるに足る可きもの...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...小成に安んずる意味の休息をば許さない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...假令文太郎其他が萬事を引受けて遣つては呉れるもののどうも心から此營業に安んずる事が出來なかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...能(よ)く貧に安んずる人と思ってたが...
田中貢太郎 「黄英」
...開散みずから安んずるもののごとし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...文天祥(ぶんてんしょう)が天命に安んずるこそ丈夫の襟懐(きんかい)ではあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その中に幾分安んずるの心持もあります...
中里介山 「大菩薩峠」
...黙(もく)して弊事(へいじ)の中に安んずるの外なし...
福沢諭吉 「女大学評論」
...吾々はなおこれに安んずるを得ず...
福沢諭吉 「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」
...泰然(たいぜん)としてその境に安んずることを得るがためならずんばあらざるなり...
福田英子 「妾の半生涯」
...館に帰りてしるす曙覧が清貧に処して独り安んずるの様...
正岡子規 「曙覧の歌」
...自ら安んずるようにつけ足した...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...馬の毛に付いた虫や卵を猴が取って馬を安んずるのかも知れぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...宿直(とのい)の武士がいれば彼の心は安んずるか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そのままでは安んずることのできない悪の状態が認められるということである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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