...さうして彼は此自己感情の興奮を原動力として自分の事業に安んずることが出來るやうになつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その小成に安んずるをおそるるなり...
田口卯吉 「将来の日本」
...能(よ)く貧に安んずる人と思ってたが...
田中貢太郎 「黄英」
...「僕は清貧に安んずることができなかったのですが...
田中貢太郎 「黄英」
...・愚を守る――・貧乏におちつく――・無能無力に安んずる・おのれにかへる――十二月廿二日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...開散みずから安んずるもののごとし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...自然とその庇護に安んずるような惰性がついた...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...文天祥(ぶんてんしょう)が天命に安んずるこそ丈夫の襟懐(きんかい)ではあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして其(その)文の拙(せつ)なれば拙なる丈真(まこと)の反射として意を安んずるのである...
夏目漱石 「艇長の遺書と中佐の詩」
...あなたがたは始めて心を安んずる事ができるのでしょう...
夏目漱石 「私の個人主義」
...しかし我々は単に俳句の如きものの美を誇とするに安んずることなく...
西田幾多郎 「国語の自在性」
...年に四百ルーブルの俸給にあまんじながら自分の運命に安んずることのできる人間の平和な生活は流れて行った...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...吾々米国婦人は片時も斯る境遇に安んずるを得ず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...学者小安に安んずるなかれ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...泰然(たいぜん)としてその境に安んずることを得るがためならずんばあらざるなり...
福田英子 「妾の半生涯」
...これ貧に安んずる者に非ずして貧に悶(もだ)ゆる者...
正岡子規 「曙覧の歌」
...国をふせいで民を安んずるということは聞いておるが...
吉川英治 「三国志」
...せっかくの新生面も安んずるに足りない...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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