...――或はこの孤独に安んずる外に仕かたのないことを知つた今日...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...苟も隙が自分の眼につく限りは自ら安んずる事が出來ないからである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...もってその堵に安んずることを得るものとした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...能(よ)く貧に安んずる人と思ってたが...
田中貢太郎 「黄英」
...・愚を守る――・貧乏におちつく――・無能無力に安んずる・おのれにかへる――十二月廿二日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...飽くところを知らぬ欲望を節制して足るを知り分に安んずることを教える自己批判がさびの真髄ではあるまいか...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...顧(おも)うに彼の眼中において果して自(みずか)ら安んずる所あるか...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...勿論それだけで安んずるような俺ではないけれど...
豊島与志雄 「過渡人」
...文天祥(ぶんてんしょう)が天命に安んずるこそ丈夫の襟懐(きんかい)ではあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし我々は単に俳句の如きものの美を誇とするに安んずることなく...
西田幾多郎 「国語の自在性」
...ただ偶然にこの人物が学問に志して学者の業に安んずるがゆえに...
福沢諭吉 「学問の独立」
...若し叔母が心を和(やわら)げて共に困厄(こんやく)に安んずる事が出来たら...
二葉亭四迷 「浮雲」
...しかしもう夙(と)うにその分に安んずる年頃になっていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...あの女は漸く自分の境遇に安んずる態度を示して来た...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...宿直(とのい)の武士がいれば彼の心は安んずるか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...倹約をして天然に安んずるのだ...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...国を治め民を安んずる道を問わんがためで...
吉川英治 「三国志」
...民を安んずる大策を知ろう...
吉川英治 「三国志」
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