...妙に病的な不安である...
芥川龍之介 「お時儀」
...マダ何となく不安で...
内田魯庵 「最後の大杉」
...あなたに遠ざけられ捨てられるという不安ではなく...
太宰治 「風の便り」
...去年の秋に来たときは、も少し明るい印象を受けたのに、信州は、春は駄目なのかしら、と不安であった...
太宰治 「八十八夜」
...けれども、いよいよ大戦争がはじまって、周囲がひどく緊張してまいりましてからは、私だけが家で毎日ぼんやりしているのが大変わるい事のような気がして来て、何だか不安で、ちっとも落ちつかなくなりました...
太宰治 「待つ」
...不安でなくもなかつたが...
種田山頭火 「旅日記」
...切なる生理的要求も肉体的感覚としてはまだ不安ではないので...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...可なり不安で揺ぎ易い...
豊島与志雄 「春の幻」
...一つは彼の不安であった...
夏目漱石 「明暗」
...不安でしたが、やつぱり金を出しただけの事はあるなんぞと妙なところで感心してしまつたりしたものです...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...亮太郎から返事のないのが何となく不安であつた...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...話が終わる頃には不安で憔悴(しょうすい)していた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...石膏ではとても不安で他人の手になんて任せてはおけぬさうです...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...その心持は不安です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この男の心が不安で...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...一種の伝統的不安であり...
柳田国男 「山の人生」
...彼は不安であったとみえ...
吉川英治 「魚紋」
...私はここへ来ては唯一の慰安であるラジオを聞こうとして...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
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