...自分ひとりのものだと思つてゐる男が他の女に愛を表す語をつらねた其の手紙を見るのは何となく不安でそして恐ろしいやうな苦しいやうな気がして...
伊藤野枝 「惑ひ」
...そうしても何だか不安で...
梅崎春生 「Sの背中」
...不安でもある...
太宰治 「新樹の言葉」
...大戦争がはじまって、何だか不安で、身を粉にして働いて、お役に立ちたいというのは嘘で、本当は、そんな立派そうな口実を設けて、自身の軽はずみな空想を実現しようと、何かしら、よい機会をねらっているのかも知れない...
太宰治 「待つ」
...それに街路(とおり)の上ではつまらないものの眼にも注(つ)きやすいと云う考えも起って不安であった...
田中貢太郎 「女の怪異」
...日本人は皆親切だと信じてゐるからちつとも不安でありません...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...反(かへ)つて不安でならなかつた...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...彼にとって慰安でもあり光明でもあった...
豊島与志雄 「反抗」
...點數により將來を卜するは不安であることを示します...
長岡半太郎 「湯川博士の受賞を祝す」
...彼等の本来の不安であったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...確かな目安であって...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...始めは不安で、猫に出くわさないかと心配しました...
林芙美子 「梟の大旅行」
...奉天の襲撃は堪え難い不安であつた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...此の喰ツて行くといふことが甚だ不安であることも知ツてゐた...
三島霜川 「平民の娘」
...割安ですから皆売れましたが...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...利かぬの目安で人物を評価する俗的見解の道しか見えなかったことは推察される...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...何だか不安である...
山本周五郎 「青べか日記」
...そっと報らせてやるがよい」「使いでは不安ですから...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索