...妻は櫛部某の卑(いや)しいところに反って気安さを見出している...
芥川龍之介 「死後」
...故郷に歸れる者の親しさと悲しさと心安さとを感ぜざるを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...皆我々の気安さに甚大の注意を払ってくれた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...霜げた若い男が、蝋燭(ろうそく)を一束買ったらしく、手にして来たので、湯治場の心安さ、遊山(ゆさん)気分で声を掛けた...
泉鏡花 「怨霊借用」
...お安さんには、不断の浴衣の縫ひ直しを一枚仕立てて小包で送つて上げる約束をして、戸棚の中の自分の行李から出した悪い帯の表と一緒に風呂敷に包んで抱へた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...例の床屋の安さんへ弟子を頼んだのが計らず私が行くことになったような順序になるのです...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...煙秋(エンチュウ)から出した安さんの手紙が先生んとこへ届いたのは...
林不忘 「安重根」
...同志の方があんなに大騒ぎしている安さんを...
林不忘 「安重根」
...安さん! あなた何をおっしゃるの――?安重根 ここまで来て...
林不忘 「安重根」
...Hも不安さうだ...
田山録弥 「草道」
...同時に安さんの訓戒が...
夏目漱石 「坑夫」
...安さんはまた煙草(たばこ)を呑(の)み出した...
夏目漱石 「坑夫」
...ジャズ文学のお安さにかかわりはない...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...不安さうに訊ねた...
牧野信一 「山を越えて」
...然し目は不安さうに相手をはかつて居た...
眞山青果 「茗荷畠」
...息子を養子にしたい安さんの下心が内儀さんにもうすうす分っていて...
矢田津世子 「神楽坂」
...それも思わずまた傾けすぎている中心の取れぬ不安さに...
横光利一 「旅愁」
...和歌の浦からこの熊野りの汽船に乘り込んで漸く初めて一人きりの旅の身になつた樣な心安さを感じて...
若山牧水 「熊野奈智山」
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