...僕は先輩の恩惠に代へてこの氣安さをとつたことを悔いない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...安さんだって知っているんですもの...
林不忘 「安重根」
...憂鬱(ゆううつ)な囹圄(ひとや)から遠のいて来た心安さもあった...
徳田秋声 「仮装人物」
...乞食の安さんが死んだか...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...」不気味な不安さを覚え出してる姉の手前...
豊島与志雄 「月明」
...恐るべき一種の平安さであり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...病室へ入ると、誰の顔にも、不安さと、涙とがあった...
直木三十五 「南国太平記」
...「安さんは、もうお帰りになりましたか」と叮嚀(ていねい)に聞くと、掘子は顔を上げてちょいと自分を見たまま、奥を向いて、「おい、安さん、誰か尋ねて来たよ」と呼び出しにかかるや否や、安さんは待ってたと云わんばかりに足音をさせて出て来た...
夏目漱石 「坑夫」
...安さんは土曜でも何でも夕方まで...
夏目漱石 「門」
...富岡君と同じ宿舎だつたンださうですね?」ゆき子がその男の方を不安さうに見たので...
林芙美子 「浮雲」
...芝の安さんの家へ行く...
林芙美子 「新版 放浪記」
...体面をつくろうことのいらぬ庶民生活の気安さを...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...子供は日本の着物を着てゐるが、何か不安さうに、あたりの人々を見廻してゐる...
北條民雄 「道化芝居」
...呼ばれない時でも大輔はそうした心安さからよく桐壺(きりつぼ)へ来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お安さん婆さんに云わせますと……『自分で作ったものは腹一パイ喰べられぬ』というのだそうで……ちょうどあの婆さんが死にました日が...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...貧乏神から兄貴とも親分とも頼まれる心安さ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...今までの不思議さと不安さの全部を...
夢野久作 「斬られたさに」
...それも思わずまた傾けすぎている中心の取れぬ不安さに...
横光利一 「旅愁」
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