...天下の前に全人格を露出して生きる氣安さは君も知つてゐる筈だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...身も心も何か大きな力に任しきるその快さ心安さは葉子をすっかり夢心地(ゆめごこち)にした...
有島武郎 「或る女」
...聴きいっているうちにだんだん自分のたましいがぬけ出していくような不安さえ湧いて来るのであった...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...げに、田舍の心安さ、一家の人はみな不在と見えたり...
大町桂月 「冬の榛名山」
...お安さんのものの縫ひかけを序でに仕上げて押しを切つて...
鈴木三重吉 「桑の実」
...この小鬼たちに対して友だちのような心安さから...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...浅草の観音様へでも行くのか」主人の安さんがいいますので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...『…………』不安さうに何か言はうとして言はずに母親の顏を見た道綱が窕子にはたまらなくいぢらしくなつた...
田山花袋 「道綱の母」
...」磯村は不安さうに訊(き)いた...
徳田秋声 「花が咲く」
...長男のやうな柔軟さと気安さで患者と談笑を交へることは困難であつた...
徳田秋聲 「老苦」
...安さんは馬鹿を作って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この時安さんは、煙草を二三ぶく吸(ふか)して、煙管(きせる)を筒(つつ)へ入れかけていたが、自分の顔をひょいと見て「こりゃ失敬した」と云ったんで、自分は非常に気の毒になった...
夏目漱石 「坑夫」
...安さんも自分の様子を眺(なが)めて首を傾(かし)げて...
夏目漱石 「坑夫」
...安さんは、あまりの馬鹿らしさに、気の毒そうな顔をして、呆(あき)れ返っていたが、「それじゃ、いるさ...
夏目漱石 「坑夫」
...元気にミシンのペタルを押していた安さん夫婦を思い出す...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...」と不安さうに呟いた...
牧野信一 「南風譜」
...しげしげと訪ねてくる安さんの根気にまかされて爺さんは...
矢田津世子 「神楽坂」
...あの人には敵(かな)わないのじゃないかしら? ――そんな不安さえ抱きはじめた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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