...床の間に安置してあるものと寸分(すんぶん)ちがわない五重の塔が...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...確かに北海丸の安吉だ」「じゃア...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...わたしも安心だよ」かちりと煙管(きせる)をすてる音がした...
田中貢太郎 「春心」
...何か不安な予感のようなものがそこいらじゅうに動いているようであった...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...私がまた会社に出るのを見ましたらどんなに安心致すか分りません...
豊島与志雄 「過渡人」
...不安を覚えていた――がまた好奇心も動いていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...此夜屋内に絃歌の聲なく安眠するを得たり...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...ぢかに買ふと安いからね...
永井荷風 「来訪者」
...平安城を筋違にという瞬間の働きをさも永久の状態のごとく...
夏目漱石 「創作家の態度」
...わが心の事を他(ひと)に尋ねて安心したいと願う彼の胸の裏(うち)を憐(あわ)れに思った...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...また同様の不安を胸の底に畳(たた)んでついに外国まで渡(わた)ったのであります...
夏目漱石 「私の個人主義」
...然らば此陸運はどうであつたかと云ふに、彼の北畠顯信が義良親王を奉じて、伊勢から海路陸奧に赴かむとした事によつても、鎌倉末足利の初に既に斯かる航路の開かれて居つたことが分るし、又日本海廻りの航路に就いては、永享文安の頃、奧州十三湊の豪族安倍康季が、後花園院の勅命によつて、若州小濱の羽賀寺を再建したといふ、羽賀寺縁起の記事、若州の武田氏が北海道に渡つたとの傳説等によりて、鎌倉以來依然として、絶えずあることを知る事が出來る...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...幸(さいは)ひの巡査(おまわり)さまに家(うち)まで見(み)て頂(いたゞ)かば我々(われ/\)も安心(あんしん)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...ゴーシ夫人が不安そうに窓を見た...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...でも危険だと言われると、さすがに不安だ...
水野葉舟 「旅からのはがき」
...安価な品が呪いを受けるのは無理がないのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...小供が大人にいじめられて安全地帯まで逃げ出した時なぞによくこんな事を云ってはやし立てているのを見受けます...
夢野久作 「鼻の表現」
...安兵衛は、言下に、『よかろう、是非参ろう』その場で、行く日までを、約束して別れた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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