...崇拝者を持ちながら近づくものが少なくて孤立したのはあの気難かし屋からである...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...なにしろ畠のまんなかにぽつんと孤立した部落で...
梅崎春生 「Sの背中」
...社会から孤立した人間が存在するといふのではない...
種田山頭火 「其中日記」
...ただ永劫な時の道程の上に孤立した一点というようなものに過ぎないであろうか...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...一旦バラバラに他から切り離されて孤立した個々の事象...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...決して各領域の芸術に独特な孤立した秘伝にどこまでも接着しているものではいけないことになる...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...こうしてジャーナリズムは社会学によって孤立した問題とされて了い...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...あるものは恐らく単なる孤立した印象か何かでしかないことになる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...孤立した小屋や板囲いの建築足場などが立ってる荒れ地を横ぎっていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...海浜の松林の中に孤立した旅館では...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...直接の言葉で孤立した野蛮なまた時には嫌悪(けんお)すべき言葉であって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...孤立した「実体的」なものより...
中井正一 「野に山にかかる虹の橋」
...言ひ過ぎた………言ひ過ぎだ………!」さう次の瞬間に脳膸が孤立したやうになつて感じられた時...
中原中也 「蜻蛉」
...現代の社会は孤立した人間の集合体に過ぎなかった...
夏目漱石 「それから」
...我々は我々の表象によって現実そのものをその孤立した自体において存在する性質において認識するのでなく...
三木清 「哲学入門」
...私は阿部襄氏と共に浅虫臨海実験所構内の全く孤立した四坪ばかりの建物の中で観察を試みました...
武者金吉 「地震なまず」
...抽象的な孤立した自然人というような者はない...
矢部貞治 「政治学入門」
...自分がまったく孤立したような思いで...
山本周五郎 「おばな沢」
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