...崇拝者を持ちながら近づくものが少なくて孤立したのはあの気難かし屋からである...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...非写実的な環境の中に孤立した写実は全く救い難い破綻(はたん)を見せるであろう...
寺田寅彦 「生ける人形」
...富士のような孤立した感じはないに相違ない...
寺田寅彦 「伊吹山の句について」
...ところどころに孤立したイタリア松と白く輝く家屋の壁とは強い特徴のある取り合わせであった...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...ただ永劫な時の道程の上に孤立した一点というようなものに過ぎないであろうか...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...――彼等の孤立した位置を考慮にいれると...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...決して各領域の芸術に独特な孤立した秘伝にどこまでも接着しているものではいけないことになる...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...孤立した独立の運動は意味がない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...こうしてジャーナリズムは社会学によって孤立した問題とされて了い...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...もし孤立したものならば最後の統一としての論理にぞくすることは出来ない筈だから)...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...孤立した善良な人々に向かって「結合せよ!」と叫んでいたけれど...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...直接の言葉で孤立した野蛮なまた時には嫌悪(けんお)すべき言葉であって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...渚に人を寄せつけない孤立した湖だけに...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...兎角(とかく)同藩中の子弟と打解(うちと)けて遊ぶことが出来ずに孤立した所為(せい)でしょう...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...孤立した白壁の建て物の前へ駈け集まってくる...
吉川英治 「江戸三国志」
...もそっと孤立した警固によい地形におけとの厳命でござりますれば」どこ? と訊いても...
吉川英治 「私本太平記」
...こうして、彼は孤立した...
吉川英治 「新書太閤記」
...四方に窪地を持つて殆んど孤立した樣な高原となつて居る...
若山牧水 「樹木とその葉」
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