...――八月十八日―孤月様―野枝...
伊藤野枝 「消息」
...孤月氏は来ませんか...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...孤月氏が、此間私のことをパツシヨネエトだつて悪く云ひましたけれど、私は今度はそんなにパツシヨネエトではないと自分で思つてゐましたのに、矢張りさうなのですね...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...孤月には少し遠慮してやりましたが...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...私は孤月と云ふ名をきくとその玄関の格子を一尺ばかり開けて無作法にその柱と格子に曲げた両腕を突つかつて其処に体の重味をもたして気味の悪い眼付きで私を見てゐる人をぢつと見返しながら急に反感がこみ上げて来ました...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...ぬつと私の前に立つた孤月氏の気味の悪い眼付きと格子戸にもたれて無作法に口をきかれた様子にすつかりその人が...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...孤月氏に、よくそんな態度が見えること、それから執拗らしい処もいやでした...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...けれど私はそんなに孤月氏を厭(きら)つてはゐましたけれども何時でも後になると向ふの人の真実をふみつけにしたやうな不快な自分の態度を責めました...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...好きな人と厭ひな人をハツキリと区別をたてることの出来る程好悪のはげしい私には孤月と云ふ人は実に耐(たま)らない人でした...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...あの中村孤月ですらも...
大杉栄 「男女関係について」
...孤月むなしく長風の上にすみてつれなし...
大町桂月 「月譜」
...大島孤月といえば...
田山花袋 「田舎教師」
...清三は大島孤月の病死と葬儀とについての記事をそれから毎日々々新聞紙上で見た...
田山花袋 「田舎教師」
...谷崎君の『病蓐(びやうじよく)の幻想』と中村孤月氏の『人の生活』と...
田山録弥 「初冬の記事」
...殊に中村孤月君などという「新しい女の箱屋」とまでいわれた位に野枝さんを崇拝する人さえ出てきた...
辻潤 「ふもれすく」
...跡こそ替れ替りなき自然の工みわが匂ひ嶺に靉く夕暮は天女羅綾の舞ごろも斷片風に流れてはわれ晴空の孤月輪...
土井晩翠 「天地有情」
...午前三時頃露営の小屋を出でて仰ぎ見れば孤月高く天半に懸って...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...晩秋、地には枯葉捲(ま)いて、天には孤月寒く、そぞろ兵の胆心にも、父母や弟妹への思慕と郷愁の多感なる頃をもって、最もよしとする...
吉川英治 「新書太閤記」
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