...孜々(しし)として楽しみをひとびとに分けあたえたためのものだからだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...人の汲々孜々として力を改良振起に尽くしたるものは...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...終日孜々汲々(ししきゅうきゅう)としていてようやく一家を支(ささ)えて行く位の有様であるから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...独力で孜々として今日の地位を築いてこられたことも...
豊島与志雄 「道標」
...北斎の山水中に見出さるる人物は皆孜々(しし)として労役す...
永井荷風 「江戸芸術論」
...司馬遷(しばせん)はその後も孜々(しし)として書き続けた...
中島敦 「李陵」
...「身を修め藝を研く」の古訓を守り孜々として修養して來た...
萩原朔太郎 「室生犀星に就いて」
...世間を孜々としてこの婦人から学びとった...
久生十蘭 「金狼」
...それは君の孜々とした排他的な愛によつて宇宙の中心に置かれ...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...不折君は初より終まで孜々(しし)として怠らずに画く...
正岡子規 「墨汁一滴」
...かうして孜々として倦まない息子を前に置いて...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...Q川は隣接するS川と終日終夜分水界の争奪に孜々としてゐた...
横光利一 「静かなる羅列」
...御工事を孜々(しし)と競(きそ)いおるとの由...
吉川英治 「新書太閤記」
...孜々営々(ししえいえい)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...孜々(しし)として...
吉川英治 「親鸞」
...馬鹿でない自分が、馬鹿みたいになって、その実、孜々(しし)と、目的に邁往(まいおう)してゆく...
吉川英治 「平の将門」
...一、会館ハ辰半(タツハン)ニ入(イリ)、未刻(ヒツジノコク)ニ退(シリゾ)ク可(ベシ)一、書策ハ謹(ツツシン)デ之(コレ)ヲ汚穢(オエ)紛失(フンシツ)スベカラズ一、文ヲ論ジ事ヲ考フルニ各力ヲ竭(ツク)シ、モシ他ヲ駁(バク)ス所アラバ、虚心(キヨシン)之(コレ)ヲ議シテ独見ヲ執(ト)ルナカレ一、席ニ在(ア)ツテハ怠惰(タイダ)放肆(ホウシ)ナルナカレこの曠世(こうせい)の文業(ぶんぎょう)に、光圀を扶翼(ふよく)して、蒐書(しゅうしょ)や研究や編修の実務にあたった人々としては、人見又左、吉弘元常(よしひろもとつね)などをはじめとして、板垣矩(いたがきのり)、中村帆(なかむらはん)、岡部仙(おかべせん)、松田効(まつだこう)、小宅順(こやけじゅん)、田中犀東(たなかさいとう)など以下、筆生(ひっせい)だけでも十余名が、机をならべて、孜々(しし)、旧記を抜抄(ばっしょう)したり、原稿の清書にあたったりしていた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...凡質を孜々(しし)と研(みが)いた人と...
吉川英治 「宮本武蔵」
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