...モ一度清子をして自分の前に泣かせて見たい様な希望さへも心の底に孕(はら)んだ...
石川啄木 「鳥影」
...帆の孕んだのが一つ...
田山録弥 「船路」
...秋らしい風が裾に孕(はら)んで...
徳田秋声 「あらくれ」
...実は軍部としてはこれ以上重大な危機を孕んだ問題はないのであって...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...十分に風を孕んで船が進む様は...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...すると大きな袋へいっぱい孕ませて来た風でげすから...
中里介山 「大菩薩峠」
...現在が過去を負い未来を孕(はら)む一つの時間的連続である...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...越前屋一パイに孕(はら)んで居ることは受取れました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...危險を孕(はら)むことに於ては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私子供を孕(はら)んでしまったの...
林芙美子 「新版 放浪記」
...隅田川がその間に白々と潮を孕(はら)んでくねっていた...
本庄陸男 「白い壁」
...それは孕める羊が産まぬ間(ま)に草原から草原へさまよい歩く遊牧の民のことではない...
三木清 「私の果樹園」
...ある馬は風に孕まさるといった...
南方熊楠 「十二支考」
...石段の隅々がくま取られた夕やみを孕んだ...
室生犀星 「はるあはれ」
...マトモ一パイに孕んだ帆を七分三分に引下げた...
夢野久作 「名娼満月」
...依然“マリアは婚せずして孕(はら)む”を信じるかのようにこの人間性焦点から眼を反らす風がみえる事だった...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...風は凄気(せいき)を孕(はら)み出す...
吉川英治 「私本太平記」
...険悪を孕(はら)みかけて来た...
吉川英治 「新書太閤記」
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