...相当の距離に立ちのいて、喧々囂々(けんけんごうごう)の弥次を飛ばすところを聞いていると、「ありゃ、味鋺(あじま)の子鉄(こてつ)ですぜ」「ああ、子鉄もいよいよ年貫の納め時か」「こう囲まれちゃ、もう仕方がおまへんな――こうなると子鉄も、哀れなもんやなあ」「だが、子鉄は腕が利いとりますからな、お手先の旦那方も、只じゃあ、あの鼠は捕れませんや」「ごらん、はじめに子鉄を抑えた旦那が、ああして苦しんでおいでなさる、はっと飛びかかった時に、子鉄の右の臂(ひじ)であばらへあてられたんです」「子鉄も子鉄だが、あんなのにかかっちゃ旦那方もつらい」子鉄、子鉄と呼ぶ、あの男が子鉄というものであることは、土地ッ子の証明によって、もう間違いのないところだが、子鉄の何ものであるかを説明している場合でないと見え、その性質は旅の人には分らない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここに子鉄と呼ばれている当人は...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで子鉄が通称となっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...それをまだ解き捨てる余裕のない創男の兇賊子鉄の頭は...
中里介山 「大菩薩峠」
...むしろ囲みを受けた味鋺(あじま)の子鉄の上に注がれて来たようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...この近在の味鋺(あじま)というところに生れた子鉄(こてつ)という強盗なのです」「まあ――」お角さんはお銀様の横顔を見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その間を牢屋から引出されて刑場へ送られて行く子鉄は...
中里介山 「大菩薩峠」
...子鉄は振返って、右の小さな尼の面(かお)をよく見たが、やがて捧げられたところの柄杓のままを口につけて、ゴクリゴクリと二口ばかり水を飲みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...前述のような凶賊で味鋺の子鉄があることと...
中里介山 「大菩薩峠」
...磔刑の場で見た子鉄の印象を深く語って聞かせるより仕方はありませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...三年前神隠しに逢って野州二荒山(ふたらさん)の奥にいたという和泉守一子鉄三郎が江戸に立還(たちかえ)り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...発信控へ十一月五日上森子鉄 橘弘一路六日加藤成之 京極鋭五 加藤常子 友田純一郎 菊田一夫 屋井宏之 坪内士行 森岩雄 山田伸吉 増田七郎 近藤光之 上沼健衛 中村メイコ 長谷川一夫十一月七日(木曜)何となく疲れてゐる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...此年棠軒二十五、妻柏二十四、女長五つ、良三つ、全安の女梅九つ、柏軒四十九、子鉄三郎十、女洲十八、国十五、安七つ、琴四つ、妾春三十四、榛軒未亡人志保五十九であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此年棠軒二十八、妻柏二十七、子棠助三つ、女長八つ、良六つ、全安の女梅十二、柏軒五十二、子鉄三郎十三、平三郎一つ、女洲二十一、国十八、安十、琴七つ、妾春三十七、榛軒未亡人志保六十二であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...この時柏軒の子鉄三郎に対する待遇を一変した事である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...多く伊沢柏軒の子鉄三郎を相手にして...
森鴎外 「渋江抽斎」
...嗣子鉄三郎の徳安(とくあん)がお玉が池の伊沢氏の主人となった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...だあまれ/\雉(きじ)の子鉄砲かたげがとおッぞうんともいうな屁(へ)もひんなこれは肥後(ひご)の球磨(くま)地方の...
柳田国男 「こども風土記」
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