...單に子供らしいといふことに依つて思ひ捨てたくはなかつたのである...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...子供らしい欲望をぶちまけた...
海野十三 「三十年後の世界」
...すべてが彼の子供らしい心を楽しませた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...狩野氏の家を出てから山端の平八茶屋で午飯を食うて此の宿の門前に来るまでは如何(いか)にも柔順(すなお)な子供らしい態度の漱石氏であったが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...内地に子供らしい手紙を度々(たびたび)くれました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...お遊さんのいかにも子供らしい我(わ)がままの例を申しましょうならあるとき父にもうよいというまで息をこらえていてほしいといって手を父の鼻のあなの前にかざすのでござりました...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...鳥でも獣でも人間でも子供にはやはり子供らしい共通の動作のあることが...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...その子供らしい、何か底に熱をもった、無邪気な遊びに、英子は眼を光らしていた...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...子供らしい方法で...
新渡戸稲造 「自警録」
...と子供らしい事を問はれて答へは何と顏の赤(あから)むばかり...
樋口一葉 「たけくらべ」
...子供らしいものにさえ思えて来ることがあるのだった...
火野葦平 「花と龍」
...私のことを子供らしいと云ふ奴は云ふがいい...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...ほとんど子供らしいほどまるい顎を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...H子供らしい真剣で白紙の上に私は貴方の名と自分の名とを書きました...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...暗(くろ)うて」「子供らしいじゃないか」笑って源氏が手をたたくとそれが反響になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その精神は子供らしいくらゐ素直な若さが漂うてゐる...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...それが子供らしい感じはなく...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...曙(あけぼの)の雲間(くもま)から子供らしい円(まろ)い頬(ほ)を真赤(まつか)に染めて笑ふ地上の山山...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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