...烈しい嫌悪の情を彼に起させた...
芥川龍之介 「枯野抄」
...その脅威はすこしずつヒルミ夫人に対する嫌悪の情に変ってゆくのを...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...私はやけくそで、突拍子ない時に大拍手をしてみたり、ろくに聞いてもいない癖に、然(しか)りとか何とか、矢鱈(やたら)に合槌打ってみたり、きっと皆は、あの隅のほうにいる酔っぱらいは薄汚いやつだ、と内心不快、嫌悪の情を覚え、顰蹙(ひんしゅく)なされていたに違いない...
太宰治 「善蔵を思う」
...まだ嫌悪の情は除(と)れぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...三十の年までには僕の青春がいっさいのものを征服してしまうに違いないんだ――生に対するいっさいの幻滅もあらゆる嫌悪の情も...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...その心に激しい嫌悪の情を起こさせたのは...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼が一時間以来押えようとつとめていた嫌悪の情が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...きたない発酵にたいする嫌悪の情に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自己嫌悪の情に圧倒された...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その時松井の心にふと嫌悪の情が閃めいた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...表通を歩いて絶えず感ずるこの不快と嫌悪の情とは一層(ひとしお)私をしてその陰にかくれた路地の光景に興味を持たせる最大の理由になるのである...
永井荷風 「日和下駄」
...僕は嫌悪の情に加えて好奇の念を禁じ得なかった...
永井荷風 「申訳」
...息子が嫌悪の情を浮べてゐるのも知らないで...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...強制徴兵に対する嫌悪の情は...
夏目漱石 「点頭録」
...何となく嫌悪の情を含み...
福沢諭吉 「日本男子論」
...間もなくその猫に対する嫌悪の情が心のなかに湧(わ)き起るのに気がついた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...我々は単純な嫌悪の情をもってそれらを見るであろう...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...嫌悪の情を以て本を投出す虞(おそれ)がある...
夢野久作 「創作人物の名前について」
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