...されどその嫌味なる所に...
芥川龍之介 「雑筆」
...それも卒直にやればいゝけれど妙に道徳とか習俗とか云ふものに囚はれてまはりくどい嫌味な愚劣な争ひをしてゐるのです...
伊藤野枝 「従妹に」
...品子が此の猫の身柄について福子に嫌味な手紙を出したり...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...そのうえ、赤いポスターをはった壁へぷう、ぷう、煙りを吹きかける自分のポーズが頽廃的で、嫌味な、下らないものに思われて来た...
戸田豊子 「歩む」
...なんぞという嫌味なものではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...少しも嫌味なところはないんですもの」平次は八五郎をチラリと見ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こころに重いもののある嫌味な作品でげす...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...すごい催眠剤ですね」死んだように動かない嫌味な眼を除けば...
久生十蘭 「肌色の月」
...ゾッとするような嫌味な青竹色の着物の袖を胸の前で引き合せ...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...幕が下りると、菊田一夫舞台へ来り、「ありがたう/\」と、浦島と小柳の手をとり感激、ちと嫌味なり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ことごとく花やかで荒唐無稽な彼の落語とよく嫌味なくマツチしてゐた...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...嫌味なく思いのままをうたっているところ...
正岡容 「我が圓朝研究」
...ずいぶん嫌味な代物...
山本笑月 「明治世相百話」
...アクドイ嫌味なところがなく...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...恋だなんて嫌味なことを...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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