...高貴な生れを示す嫋(なよ)やかさと誇らしさとが見えてゐる...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...どこか雌豹(めすひょう)を偲(しの)ばせる嫋(しな)やかな脚! 豪奢なミンクの毛皮を纏(まと)って...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...間もなく嫋嫋と仙仙が前後してなくなった...
田中貢太郎 「続黄梁」
...身こなし嫋(たおや)かな優美な河であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...芙蓉齋素絢ゑがく西王母は、桃林を逍遙する仙女の風趣氣高く、嫋々としてゐる...
長谷川時雨 「桃」
...大きな金剛石(ダイヤモンド)の指輪をはめた白い嫋やかな指の間にウイスキー・ソーダのコップを持ちながら...
久生十蘭 「魔都」
...なほ嫋々たる余音を断たないといふほどの心で人を驚かすほどのことはないが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ホホホホホホホホホ」不意に嫋美(たおや)かな笑いこぼれ...
吉川英治 「剣難女難」
...後ろから歩みも嫋(たおや)かに...
吉川英治 「三国志」
...嫋々(なよなよ)と...
吉川英治 「私本太平記」
...侍者の催馬楽歌(さいばらうた)も嫋々(じょうじょう)と哀れに聞えた...
吉川英治 「私本太平記」
...まだ二十歳にもみたぬ嫋女(たおやめ)でございますが」「何で発狂したのか」「わかりません...
吉川英治 「私本太平記」
...足もとや体つきまでがいかにもこんな所のあらい風には馴れぬらしい嫋(なよや)かな姿なのである...
吉川英治 「親鸞」
...何をいい返す間があろう! お千絵の嫋々(なよなよ)した体を抱くようにして走りだしたお綱がふりかえって見た時には...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...嫋々(じょうじょう)たる呂律(りょりつ)が川波にのって流れ...
吉川英治 「松のや露八」
...船頭の妻とも見えぬ嫋(なよや)かな病人が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...諸口さんの嫋々(じょうじょう)とした...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
...その名(な)は嫋竹(なよたけ)の赫映姫(かぐやひめ)といふのでした...
和田萬吉 「竹取物語」
便利!手書き漢字入力検索