...……といつても文藝家は總て他人の趣味や感興に媚びるために全力を盡すべきだといふのではない...
會津八一 「趣味の向上」
...さもなければ彼等の同性愛に媚びる醜さの潜んでいる為だった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...漸くその現實に媚び...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...すると福富は又媚びるやうな目附をして斯う言つた...
石川啄木 「葉書」
...これはただ若き夫万吉郎に媚びんがための努力であったとは...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...次第に媚びを含んだやうな...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...一人が一人に向つて石を抛(なげう)てば相手の女は抛つた方へその心を媚びさせて行くのだと思ふと...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...民衆の既成常識や卑俗常識に媚びるという手もあるだろう...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...彼女は媚びるような眼附をして彼の眼を見返した...
豊島与志雄 「恩人」
...策略とか媚びとか卑下とか或は威嚇とか...
豊島与志雄 「自由人」
...媚びた眼で見上げる顔へ...
直木三十五 「南国太平記」
...いとけなく育(はぐ)くまれるものの愛に媚びる感覚が...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...彼の虚栄心に大いに媚びた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...みんながトリユックの怜悧さうな顔を映したいといふので……アンネットさんはやさしく媚びるやうに笑つて是をすかさんと試み...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...哲學だけが怠け者に媚びねばならぬ理由はなからう...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...それからちゅうものは前に倍して繁(しげ)く来り媚び諂(へつら)うに付けて...
南方熊楠 「十二支考」
...人間はそれ等の神神を尊び怖れ、それに祈り、それに媚びた...
与謝野晶子 「既成宗教の外」
...一(いっ)そう慎まねばなるまいぞ」「……はい」「媚びる者に惑わさるるなよ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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