...その慢心に媚びるやうな幻を描いて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...彼等に媚びる必要は決してない...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...自分に媚びない、だから他人にも媚びない...
種田山頭火 「其中日記」
...隠すことなく飾ることなく、媚びることなく...
種田山頭火 「旅日記」
...女に媚びてゐたりするやうな処がある為めに...
田山録弥 「西鶴小論」
...併しながら其等はいづれも何等か我々のセンチメンタリズムに媚びてゐる...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...媚びを含んでるとさえ思われたのです...
豊島与志雄 「香奠」
...媚びるような表情が窺われました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...俺の宗旨は、代々山王様宗だが、死んだら一つ、今の合の手でお馬は栗毛で金の鞍ってんだ」富士春が、媚びた眼と、笑いとを向けて「お静かに」と、いった...
直木三十五 「南国太平記」
...我々批評家は好い加減な事を云つて作家に媚びるよりも...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...とても憎くまるゝほどならば生中(なまなか)人に媚びて心にもなき追縱に...
一葉 「暗夜」
...外国人に媚びるものである...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...哲學だけが怠け者に媚びねばならぬ理由はなからう...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...心にもない媚び諂いは気持が悪いが...
宮城道雄 「声と性格」
...それに媚びる卑怯な奴等が何時でも害を醸すのだ...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...またきゅうにうっとりと媚びたような艶めいた目つきをしたが...
室生犀星 「香爐を盗む」
...祖先が折角向上させた能を堕落させて大衆に媚びつつ生活して行くのを当然の権利と心得...
夢野久作 「能とは何か」
...一般人の愛や同情に媚び諂(へつら)うでもなかったのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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