...可愛らしい(以下四十六字伏字)ちょっと唇を押し当てて媚びるような微笑を遠くの方から送ります...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...どれが判官に媚びたい欲望から出た言であり...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...主人の趣味にばかり媚びる訳に行かない...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...自分に媚びるな一...
種田山頭火 「行乞記」
...会話の写生の迫真の程度はさう細く深くはないが、流行に媚びた、色の舎利塩(しやりゑん)の沢山に入つてゐるものだとばかり言つて了ふことの出来ないところがあつた...
田山録弥 「西鶴小論」
...民衆の既成常識や卑俗常識に媚びることによって...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...それから媚びるように云った...
豊島与志雄 「霧の中」
...策略とか媚びとか卑下とか或は威嚇とか...
豊島与志雄 「自由人」
...何か物がほしい時には、にゃあにゃあじゃれついて、媚びへつらうが、用が無くなれば、知らん顔をして、そっぽ向いて、呼んでも返事をしない...
豊島与志雄 「猫先生の弁」
...それに媚びようとする彼の黒猫の眼附が...
中島敦 「プウルの傍で」
...いとけなく育(はぐ)くまれるものの愛に媚びる感覚が...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...いろんな風に媚びたり甘えたりしてゐるに違ひない...
牧野信一 「蝉」
...がそれでも上に媚びて給料の一円も上げて貰いたいと女々しく勝手口から泣き込んで歎願に及んだ事は一度も無く...
牧野富太郎 「植物記」
...哲學だけが怠け者に媚びねばならぬ理由はなからう...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...従って、儲けるための出版業者は、いつも「地方」を対象におき、そこで売れるためには、決して「地方的水準」を高めようとせず、それに媚び、おもねり、面白がられることを商売の上手とした...
宮本百合子 「木の芽だち」
...お前さんもこの媚びるような物の音(ね)がお好(すき)なの...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...人間はそれ等の神神を尊び怖れ、それに祈り、それに媚びた...
与謝野晶子 「既成宗教の外」
...東京から歸つて來なさつたんだからねえ!」と何となく媚びるやうな瞳附で私の眼もとを見詰むる...
若山牧水 「姉妹」
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