...それほどまでに媚びようとするあの男の熱情が...
芥川龍之介 「袈裟と盛遠」
...就中彼に甘かつた老年の母に媚びようとした...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...ものごしの媚びるにつれて...
大手拓次 「藍色の蟇」
...自分に媚びない、だから他人にも媚びない...
種田山頭火 「其中日記」
...会話の写生の迫真の程度はさう細く深くはないが、流行に媚びた、色の舎利塩(しやりゑん)の沢山に入つてゐるものだとばかり言つて了ふことの出来ないところがあつた...
田山録弥 「西鶴小論」
...細君は前より一層人に媚びるやうな調子で云つた...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...媚びに脆い処女の心よ! 私はうかうかとした気持ちで...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...策略とか媚びとか卑下とか或は威嚇とか...
豊島与志雄 「自由人」
...声の調子だけに媚びを含めて...
豊島与志雄 「春」
...彼女は媚びるようなしなをしながら...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...我々批評家は好い加減な事を云つて作家に媚びるよりも...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...ほとんど人に媚びるような眼の色であつた...
三好十郎 「肌の匂い」
...またきゅうにうっとりと媚びたような艶めいた目つきをしたが...
室生犀星 「香爐を盗む」
...今日は来り媚びん...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...権門に媚びることを怠らなかった幇間的な彼の暮し方を私は好かない...
柳宗悦 「民藝四十年」
...祖先が折角向上させた能を堕落させて大衆に媚びつつ生活して行くのを当然の権利と心得...
夢野久作 「能とは何か」
...自然に流れた自分の友人に向ふ媚びのやうに綺麗な靜なものであつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...一般人の愛や同情に媚び諂(へつら)うでもなかったのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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