...滴(したた)るような媚(こび)を眼に浮べて...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...最も彼自身に媚(こ)びてゐるものである...
芥川龍之介 「続西方の人」
...彼は今まで余り接したことのない女の媚態が彼をさうした激情に追ひ込んだのだとは気がつかなかつたのである...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...権門に媚(こ)びて出世の緒(いとぐち)を掴(つか)もうと云う世間並な下心もないことはなかったであろうが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...媚(なまめ)かしい女の姿などが見えて...
徳田秋声 「足迹」
...先刻(さっき)酒好きなK―に媚(こ)びるように言ったことなどが想い出された...
徳田秋声 「黴」
...五十パーセントの媚も……...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...媚びを含んでるとさえ思われたのです...
豊島与志雄 「香奠」
...媚びるような表情が窺われました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
......
永井荷風 「江戸芸術論」
...しかし腹の中では自分に媚(こ)びる一種の快感を味わった...
夏目漱石 「明暗」
...非凡の媚(こび)が湧くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...職業的な媚(こび)と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まもなく彼女の媚態に陥って...
浜尾四郎 「夢の殺人」
...媚(こ)びられて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...嘗て侫臣が暴君に媚びたやうに人民に媚びた...
森鴎外 「古い手帳から」
...人に否(いな)とはいわせぬ媚態(びたい)あり...
森鴎外 「舞姫」
...東京から歸つて來なさつたんだからねえ!」と何となく媚びるやうな瞳附で私の眼もとを見詰むる...
若山牧水 「姉妹」
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