...桃花雨中に媚び、椿の花、時にぽつりんと舟中に落つるも、あはれなり...
大町桂月 「北總の十六島」
...何という地上の媚態...
谷譲次 「踊る地平線」
...5砂漠・暑い風・油ぎった水・陽に揺れる遠景・金属製の塔壁(パイロン)・伸び上ったり縮んだりする起重機の媚姿(ポウズ)・その煽情的な会話――かた・かた・かた――と...
谷譲次 「踊る地平線」
...民衆の既成常識や卑俗常識に媚びることによって...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...百パーセントの媚を呈しなければならなくなる...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...衆に媚びず、孤独を恐れず、自己の力によって自ら立ち、驕らず卑下せず、霜雪の寒にも自若として、己自身に微笑みかくる、揺ぎなき気魄である...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...鹿児島の風光明媚を説き出した...
豊島与志雄 「変な男」
...その袖(そで)をお糸(いと)は軽く捕(つかま)へて忽(たちま)ち媚(こび)るやうに寄添(よりそ)ひ...
永井荷風 「すみだ川」
...それは實に譬(たと)へやうもなく凄まじい媚態(びたい)です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そんなに引っ張ると手首が抜けるじゃありませんか」少し媚めかしい鼻声です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...馥郁(ふくいく)として匂ふのは南蠻の媚藥でもあるでせうか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」と弟は媚を呈した...
牧野信一 「スプリングコート」
...そのときキラリ金歯の光るのが大そう媚かしかつた...
正岡容 「寄席風流」
...彼らは若い少年を拷問して彼らの神であるディアナに媚(こ)びようとし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼をなだめ彼に媚(こ)びようとする...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「私(わたし)に話って……なんなの?」とろけそうな媚(こび)を目じりに流しました...
吉川英治 「江戸三国志」
...夕べに越将を迎うるの媚態(びたい)を――遊女のように...
吉川英治 「新書太閤記」
...お綱の媚(なま)めいた酌(しゃく)に酔った孫兵衛が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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