...「かき起されし」とたゆたつた「調べ」にも柔媚(じうび)に近い懶(ものう)さを表はしてゐる...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...桃花雨中に媚び、椿の花、時にぽつりんと舟中に落つるも、あはれなり...
大町桂月 「北總の十六島」
...何とも云へない媚(こ)びと...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それ等一切のものに付いて見られる時局追随的な態度と軍部や政府への媚態や...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...こんなに小さくて人に媚びている! 彼はただじっとその様子を眺めた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...妄信的(もうしんてき)反動に媚(こび)を呈していた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...媚びるような表情が窺われました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...」それは少しも媚を含んだ態度ではなかった...
中島敦 「プウルの傍で」
...反魂香の煙の中から美しいお園の媚態お園がお手討になった――その日のうちに...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...精一杯の媚態(しな)を作りながらゆすぶっておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...艶(えん)に妖(あや)しく媚(なま)めかしいエロチシズムとを...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...柔媚(じうび)を四畳半に求むることも出来なくなつた...
平出修 「畜生道」
...媚びるところの一つもない口元を真面目に閉じているイエニーの顔つきには...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...お蔭様で助かりましたわ」媚めかしい声でそういいながら眉香子未亡人が静々と込(はい)って来た...
夢野久作 「女坑主」
...自分等に媚を送る人達もゐないので...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...戦乱の張本人足利殿へ媚(こ)びて...
吉川英治 「私本太平記」
...権(けん)に媚(こ)びず...
吉川英治 「宮本武蔵」
...男達は何とか叫んで媚を送った...
若杉鳥子 「旧師の家」
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