...クラバツクの如何にも不機嫌だつたことを婉曲にトツクに話しました...
芥川龍之介 「河童」
...これに反して『其面影』の描写は婉曲に生温(なまぬる)く...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...気の毒ながら裏切り者の妹へ合力(ごうりき)をするのは困る」といって婉曲に保護を断ったという...
海野十三 「深夜の市長」
...「帆村探偵の素状を一応調査しておいた方がいいだろうかね」そういって警官の非礼を婉曲に帆村荘六に詫びるのだった...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...ここを占有しているドイツは東洋の咽喉(いんこう)を扼(やく)しているようなものだという意味を婉曲に匂わせながら聴衆の中に交じっている日本留学生の自分の顔を見てにこにこした...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...婉曲に当てこするに相違ないのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...婉曲に所有者の有頂天を甘やかし...
戸田豊子 「歩む」
...そう学問的に婉曲に持ち出す間は...
中里介山 「大菩薩峠」
...婉曲に対手(あいて)の感情を害せぬように叮嚀(ていねい)に争うのである...
新渡戸稲造 「国際聯盟とは如何なものか」
...甚だ婉曲にですが...
浜尾四郎 「死者の権利」
...空(から)鉄砲なりしにや」と婉曲に言いまわしているが...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...婉曲に言ひあらはされ過ぎてゐると私は思ふのであるが...
平林初之輔 「政治的価値と芸術的価値」
...又巧に辭を婉曲にする者にも非ず...
福沢諭吉 「帝室論」
...又妻君も自分の友人の悪口を婉曲にいって...
正宗白鳥 「空想としての新婚旅行」
...いずれにしても余りはっきり言っては差しさわりのある事柄を婉曲に代弁させるため...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ではなぜ婉曲に答える必要があったか...
和辻哲郎 「孔子」
...どうぞおそば近くへ、と婉曲に尼君は、「古美術研究者」の「研究」を許した...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...彼は婉曲に拒否された...
和辻哲郎 「鎖国」
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