...日盛りの銀座の美人などは如何(いか)に嬋娟窈窕(せんけんえうてう)としてゐても...
芥川龍之介 「鷺と鴛鴦」
...将軍家はおませの浮いたお心から足利の田舎の骨太のお娘よりも都育ちの嬋娟たる手弱女を欲しかつたのだらう等と...
太宰治 「右大臣実朝」
...嬋娟(せんけん)というべきか夢幻というか! 亡国と莫迦(ばか)にし古代文明国と嘲(あざけ)り...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...それは娟麗(けんれい)ならぶものなき女であった...
田中貢太郎 「阿宝」
...いくらでも娟好(きれい)な女が手に入るじゃありませんか...
田中貢太郎 「竇氏」
...そのおれば嬋娟(せんけん)たる美姫を擁して巍々(ぎぎ)たる楼閣に住し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...而シテ鴨東脂粉ノ光彩目ヲ奪ヒ嬋娟(せんけん)觀ル可キ者亦嵐光峰影ノ奇能ク之ガ助ヲ爲ス者ニ非ズ邪...
永井荷風 「十年振」
...そこで鷦鷯梅(しょうりょうばい)だ」「その枝のよく伸(の)したやつが安身梅」「それは姿がいいから白鶴梅(はくつるばい)」「亦楽梅(えきらくばい)」「長条梅」「馬屋梅」「孤影梅」「玉堂梅」「飛雲梅」「金籠梅」「珠簾梅」「娟女梅(けんじょばい)」「東明梅」「西暗梅」一木を得るに従って一名を選み...
中里介山 「大菩薩峠」
...嬋娟(せんけん)たる容姿のどこかに見せながら...
中島敦 「悟浄出世」
...高無際の鞦韆賦に叢嬌亂立以推進、一態嬋娟而上躋、乍龍伸而蠖屈、將欲上而復低とあり、王問の詩に一囘蹴一囘高とあるのは即ち之を證する...
原勝郎 「鞦韆考」
...嬋娟(せんけん)たる竜女が人を魅殺した話多きも尤もだ...
南方熊楠 「十二支考」
...嬋娟(せんけん)たる妓女インドにありたけの音曲を尽し...
南方熊楠 「十二支考」
...前は嬋娟(せんけん)たる美女と見ゆれど...
南方熊楠 「十二支考」
...嬋娟(せんけん)たる花の顔(かん)ばせ...
南方熊楠 「十二支考」
...いつしか嬋娟(せんけん)たるたおやめの側(かたわら)に立つかと思うなど...
三宅花圃 「藪の鶯」
...醒(さ)むれば花鳥また嬋娟(せんけん)の美女...
吉川英治 「三国志」
...嬋娟(せんけん)にして男まさりな呉妹君(ごまいくん)といわれ...
吉川英治 「三国志」
...四季折々の百花が嬋娟(せんけん)と乱れ咲いた...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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