...娘分は湯上りに化粧した頸(くび)を垂れ...
泉鏡花 「遺稿」
...もとその小浜屋に芸妓(げいしゃ)の娘分が三人あった...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...里子からずる/\に爺さんの娘分になり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...旅籠屋(はたごや)の花屋の娘分として育てられた女であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...娘分のお梅は有難く...
中里介山 「大菩薩峠」
...親方のお気に入りの娘分...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうせ芸妓屋(げいしゃや)の娘分になるくらいだから...
夏目漱石 「行人」
...自分の娘分にして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...寺西の娘分といふのが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...木戸の外には坂なりに隣の家のお勝手口があり、隣の内儀はお勝手に居たが、誰も人は通らなかつたと言ふし、彌之助が坂下から歸つて來て、路地を入つて、隣の家のお勝手口の前へ來たとき、嫁のお玉の驚く聲を聽いたといふから、どう考へても殺し手はありませんよ」「家の中には?」「花嫁の部屋は十文字に綱を引いて、虫干の着物で一パイだ、それを掻きわけて、自分の部屋へ戻つて來ると、娘分のお駒が、嫁のお玉の一番晴れの振袖を着て、帶まで締めて、扱帶(しごき)を卷いたところを、後ろからズブリと背中を突かれた」八五郎の説明はなか/\行き屆きますが、それでも平次を承服させるわけには行きません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...娘分とは言つても...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其所の十二三になる娘分の児を蹴ッ飛ばしたとかで...
羽志主水 「越後獅子」
...お糸さんは『桔梗』の娘分だらう...
平出修 「二黒の巳」
...比良野氏の娘分にせられた時...
森鴎外 「渋江抽斎」
...女中というよりは娘分に近い扱いをうけるようになって...
矢田津世子 「女心拾遺」
...娘分とでも云わぬ限り...
山本周五郎 「松林蝙也」
...ただ娘分の三枝を...
夢野久作 「二重心臓」
...お菊ちゃんは、浜中屋の娘分で、芝居町の笛吹きの立(たて)で、小杉長五郎という男を聟(むこ)に入れたことがあるが、二年も添わないうちに死に別れて後家(ごけ)になった...
吉川英治 「松のや露八」
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