...ねエ女中さん」と姥(うば)の幾は宿の女を促し立てて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...僕が昔し姥子(うばこ)の温泉に行って...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...金泥に姥桜の散しを置いた小型の翳扇が一面欠けてゐるだけで...
牧野信一 「籔のほとり」
...さる老落語家の手記によると、於梅は寄席では主に手踊りなど見せていたらしいが、衰残の大姥桜、せっかくの踊りも脂気が抜けてただいたましく寄席もひと廻り巡演しただけで好評再演というわけにはいかず、最後は郡部の寄席へまで看板を曝(さら)した、とある...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...同時にまだ見ぬ姥桜(うばざくら)の未亡人の不幸せな宿命の上がしきりとあわれにいとしく考えられた...
正岡容 「寄席」
...山姥の力餅売る薄(すすき)かななど戯れつつ力餅の力を仮(か)りて上ること一里余杉樅(もみ)の大木道を夾(はさ)み元箱根の一村目の下に見えて秋さびたるけしき仙源に入りたるが如し...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...その先祖犬山姥(やまうば)を殺し自分耳にその血を塗って後日の証としたのが今に遺(のこ)ったと言う...
南方熊楠 「十二支考」
...千葉県君津郡小櫃(こひつ)村俵田字姥神台)姥神はまた子安(こやす)様ともいって...
柳田國男 「日本の伝説」
...とにかくにこの池のそばには咳の姥神が祀ってあり...
柳田國男 「日本の伝説」
...良い姥、悪い姥の話は、まるで花咲爺、または舌切り雀などと同じようではありませんか...
柳田國男 「日本の伝説」
...その為に山姥山姫のいい伝えはなお永く残るのであります...
柳田國男 「日本の伝説」
...この水でその山姥が布を晒していたというのであります...
柳田國男 「日本の伝説」
...山の崩れたところを山姥が踏ん張った足跡だといったり...
柳田國男 「日本の伝説」
...そのお衣を山の姥が来て織ったというのも...
柳田國男 「日本の伝説」
...山姥の杖が芽を出して大きくなったものだともいっていました...
柳田國男 「日本の伝説」
...山姥はなるほど多くの神童の母であり...
柳田国男 「山の人生」
...尉(じょう)と姥(うば)のようにまで...
吉川英治 「新書太閤記」
...姥神(うばがみ)から権兵衛峠を越えねばなりませぬで」「越えればいいじゃねえか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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