...)しかしスタンダアルの諸作の中に漲(みなぎ)り渡つた詩的精神はスタンダアルにして始めて得られるものである...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...激しい向かい風のなかに見え始めた故国日本の姿はまったく懐かしい限りであった...
上村松園 「余齢初旅」
...このとき俄かに身体をブルブルと震わせ始めた...
海野十三 「三人の双生児」
...黒トカゲが這(は)い始めたぜ...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...それを十日分の日課に割って読み始めるのだが...
大杉栄 「獄中消息」
...彫刻が彫刻として始めて完備した時代だから...
高村光太郎 「回想録」
...ベナビデスがどういう経路によってどこから入手して飼育し始めたものか...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...じっと目をこらし始めた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...今度は故里(ふるさと)の御母(おっか)さんの所へ手紙を書き始めた...
夏目漱石 「野分」
...よく聞いて見て始めて了解したが...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...やがて、主人を海へ沈めたのも、お内儀(かみ)を物干から投げ飛ばしたのも、六郎に相違ない――といつた疑ひが、家中の者を始め、親類の人達まで支配しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此隙(このひま)に私は母と談判を始めて...
二葉亭四迷 「平凡」
...「弥次喜多」から始める...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...漸次(ざんじ)にその外方の内壁(ないへき)から毛が生じ始める...
牧野富太郎 「植物知識」
...この聯想ありて始めて十七字の天地に無限の趣味を生ず...
正岡子規 「俳諧大要」
...尤も私が始めてその市のことを知ったのは...
柳宗悦 「京都の朝市」
...充分誘導してきた敵へ当り始めた時...
吉川英治 「三国志」
...事実彼は、お甲を始め、幾多の女に、そうした経験がある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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