...姉さん泣いてべえさ」清逸は不思議にも黙って考えこみたいような気分になった...
有島武郎 「星座」
...今は髮の結ひ方に氣をつける姉さんになつたのが...
石川啄木 「葬列」
...姉さん――小芳か...
泉鏡花 「婦系図」
...青池はその母親を姉さんと言つてゐるといふことを芥川から聞いてゐたが...
小穴隆一 「二つの繪」
...姉さんからくれぐれも頼んではりました...
近松秋江 「霜凍る宵」
...主人は、合壁の隣りに居残っている母親に気を兼ねて、声をひそめ、二人の仲を改めて取りなすような口を利(き)いて、「さあ、姉さん、ここは私の内どす...
近松秋江 「霜凍る宵」
...姉さんのお世話にはなりませんから』『誰もお前の世話をして上げるとは言わないよ……立派に一人でその始末をしてごらん』『しますとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしの姉さんはこの人が好きであったというが...
中里介山 「大菩薩峠」
...姉さんにまたよく腹の中を僕から聞いて見ましょう...
夏目漱石 「行人」
...それに僕は姉さんに少し用談があって来たんだから」自分は半分空を眺めてまた嫂をふり返った...
夏目漱石 「行人」
...「姉さんは泣いているぜ」と兄が云った...
夏目漱石 「それから」
...姉さんは、私を子供扱ひにして、酒の席なんかには寄せつけませんよ」縞物(しまもの)を短かく着て、何處か大店(おほだな)の小僧とも見える美少年米吉は、平次の問ふまゝに、蟠(わだか)まりもなく答へます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「姉さんの下駄、それはどんな下駄だ」「幅の狹い、齒の薄い女下駄ですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「要さん、父さんを牢へ入れたのも、身上を仕舞わせたのも、天とう様のせいだろうか」「…………」「姉さんにあんな虐(むご)たらしい死様(しにざま)をさせたのも、要さんの職を取り上げたのも、みんな、天とう様のせいかねえ」「そりゃ物のたとえだ、こんな時世に生れ合せたのが互の不祥さ」「それで、お前は胸を擦(さす)って居られる積(つも)り?」「…………」「一体何処(どこ)の誰がこんな御時世にしたんだろう、何んにも知らない若い娘が、真昼間の往来で裸にされるような、――それがお上のお慈悲だろうか、――御老中とか、お奉行とか言いやがって……」「お豊」「いえ、言わして下さい、人に聞かれたって構やしない、親の敵、姉さんの敵、――お前さんにも仕事を取上げた敵――」「…………」お豊は要次郎の胸を離れると、月下の町を浜町の方へ去り行く役人の後ろ姿を見送り乍ら、斯(こ)う言うのでした...
野村胡堂 「礫心中」
...姉さんのお部屋にいるのにきまってますわ...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...「姉さん、あたしの踊りをFさんにお目にかけるんですつて!」梯子段を駆け降りて来た光子が、Fの手をとつた...
牧野信一 「熱い風」
...堀田は徳ちやんの姉さんに凭りかゝつて...
牧野信一 「街角」
...姉さんの方でしょう...
吉川英治 「松のや露八」
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