...妻戸の蝶番(ちょうつがい)が損じて扉が一枚外(はず)れかゝっているのに気がつき...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...かの女はじつと妻戸のところに立つて竹むらに夕日の影の消えて行くのをたまらなくさびしい心持で見詰めた...
田山花袋 「道綱の母」
...思いかけたる庭の花うらの妻戸を忍び入る忍踊りを一踊り忍び入り...
中里介山 「大菩薩峠」
...妻戸をたて切って褥にかえると...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...妻戸からおはいりになって来られた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...そして妻戸の向かいになった渡殿(わたどの)の入り口のほうに立っていると小君が来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...小君のために妻戸をあけに出て来た童女もそこへはいって寝た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...落ちようとする月の光が西の妻戸の開いた口からさしてきて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中将が来て東の渡殿(わたどの)の衝立(ついたて)の上から妻戸の開いた中を何心もなく見ると女房がおおぜいいた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...妻戸の口の御簾(みす)の前へ薫はすわった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...家の人は妻戸を押しあけて和琴を歌に合わせて弾(ひ)きだした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...妻戸をおたたきになる音に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...妻戸を薫はあけて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...御殿の妻戸を開けているかのような気配だったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...云い捨てて妻戸の外へおどり出た...
吉川英治 「新書太閤記」
...万野は自分の寝屋(ねや)の妻戸をそっと押して...
吉川英治 「親鸞」
...ほんとに」「逃げましょうか」「…………」塗りぼねの妻戸の外に...
吉川英治 「親鸞」
...「もし……」閉めてある妻戸の境で...
吉川英治 「親鸞」
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