...妻室(かない)や小供はここへ置いといて...
田中貢太郎 「警察署長」
...私はまだ妻室(かない)がないから...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...妻室(かない)は泣き叫ぶその子を抱きながら取次していたが...
田中貢太郎 「妖影」
...泣きやんだ小供に乳を飲ませている妻室であった...
田中貢太郎 「妖影」
...そんな人は初めてよ」妻室(かない)の気もちが直って来たので...
田中貢太郎 「妖影」
...たいていそんなものだよ」「そうでしょうか」妻室は間もなく下へおりて往った...
田中貢太郎 「妖影」
...伊藤喜兵衛様のお妾のお花さんを御妻室になされておりますよ」「え...
田中貢太郎 「四谷怪談」
...妻室はもらいません」許宣のその詞が終るか終らないかに人声がして...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...私はあなたの妻室じゃありませんか」許宣はがたがた顫えだした...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...私はあなたの妻室ですから...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...源は両親もない妻室(かない)もない独身者の物足りなさと物悩ましさを...
田中貢太郎 「緑衣人伝」
...実秀の妻室も深くこの消息の教えを信受してよき往生の素懐を遂げたという...
中里介山 「法然行伝」
...甘糟が国に残して置いた妻室が夢に忠綱が極楽往生をとげたという告げを聞いて驚いて国から飛脚をたてたが...
中里介山 「法然行伝」
...玄徳の妻室甘夫人(かんふじん)と...
吉川英治 「三国志」
...高貞の妻室が、当時、著名な美人であったことが、師直の好色癖にむすびつけられ、好箇な好色談となっていったものらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...妻室があったとみえる...
吉川英治 「平の将門」
...その妻室は、表方とはかけ離れていて、宗矩と琴瑟(きんしつ)が和しているかいないかも分らないほど奥まった所に生活しているが――まだ若いし、そうした深窓にいる女性だけに――良人の身辺にお通のような女性が現われたことは、決して、よい眼で見ていないことは想像に難(かた)くないことであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...妻室へはいっても何かと要(い)らない気をつかわなければならなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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