...「これが私の妻室(かない)ですよ」焦生は老婆に向って挨拶をして...
田中貢太郎 「虎媛」
...前方(むこう)で御妻室(ごかない)を持って...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...私はまだ妻室(かない)がないから...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...わしは三年前に妻室(かない)に死なれて...
田中貢太郎 「放生津物語」
...そのうちに私のような者でも妻室(かない)にしてくれる者があるなら...
田中貢太郎 「山姑の怪」
...次の室(へや)で小供を寝かしている妻室(かない)に...
田中貢太郎 「妖影」
...今度は妻室に向って...
田中貢太郎 「妖影」
...泣きやんだ小供に乳を飲ませている妻室であった...
田中貢太郎 「妖影」
...妻室(かない)に突かかるように云った...
田中貢太郎 「妖影」
...云っているうちに私は妻室への気やすめを思いだした...
田中貢太郎 「妖影」
...伊藤喜兵衛様のお妾のお花さんを御妻室になされておりますよ」「え...
田中貢太郎 「四谷怪談」
...はやく妻室(かない)をもらって身を固めるがいい...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...妻室はもらいません」許宣のその詞が終るか終らないかに人声がして...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...私はあなたの妻室じゃありませんか」許宣はがたがた顫えだした...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...高貞の妻室が、当時、著名な美人であったことが、師直の好色癖にむすびつけられ、好箇な好色談となっていったものらしい...
吉川英治 「私本太平記」
...義経の妻室へ押しつけているあの行為が一ばん嫌だ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...妻室があったとみえる...
吉川英治 「平の将門」
...その妻室は、表方とはかけ離れていて、宗矩と琴瑟(きんしつ)が和しているかいないかも分らないほど奥まった所に生活しているが――まだ若いし、そうした深窓にいる女性だけに――良人の身辺にお通のような女性が現われたことは、決して、よい眼で見ていないことは想像に難(かた)くないことであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索