...「ぶったってぼくはあとでかわいがってやったよ」「私だってかわいがってよ」妹が山の中でしくしく泣(な)きだした...
有島武郎 「火事とポチ」
...ゆくさきざきで人は彼女を私の妹と思ったり...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...妹よ私の兄のこの気持...
太宰治 「パンドラの匣」
...しかも当の妹の方も死体になってるのですから...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...じっさい餓鬼は餓鬼を誘い、弟は兄を、姉は妹を、おふくろは父(とっ)つぁんを、婆さんは爺さまを、鶏は牛を、犬は馬を、みんながみんなを呼び出して来て、隣異と讃嘆をもって遠くから研究的に見物するんだから、こっちで私たちが、ふたりで何か話して笑っても、私が煙草に火をつけても、彼女が鼻へ白粉(おしろい)を叩いても、それがそっくりそのまま、何のことはない、まるで舞台の芝居になっていて、どうも弱ってしまう...
谷譲次 「踊る地平線」
...忠臣蔵四段目、二度目の清書、妹背山三段目、杉酒屋、安達原三段目などは、私は写しもし、またいくらか暗記もした...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...出て行く妹の後姿を...
直木三十五 「南国太平記」
...宇津木の妹という...
中里介山 「大菩薩峠」
...」「妹(いもうと)のマリちゃんが...
グリム 中島孤島訳 「杜松の樹」
...その次に逢つたのはお吉の妹のお雪...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...利右衛門の妹のお小夜だったということがわかった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...姉妹(きょうだい)であったのです...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...馬鈴薯からは馬鈴薯が出来ると云う悲しい事実を語っているのであるか?妹の裁判は大変に厳しかった...
松永延造 「職工と微笑」
...少女は彼のある同級生の妹で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...幼ない弟妹達の冬着の繕ひや其の他のいろ/\な仕事が老母の手一つで出来かねてゐたので...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...イレエネの妹のフリイデリイケが...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「祭日」
...私の母の妹(「おもと」といった)の夫であった...
柳田国男 「故郷七十年」
...私のタッタ一人の従妹(いとこ)で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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