...何時も好い加減な返事ばかりしてゐる彼女自身が其処にあつた...
芥川龍之介 「秋」
...そいつをオンタケ散とか豚印とか好い加減な名を付けた袋へ入れて一と袋一銭五厘に売るんだ...
内田魯庵 「貧書生」
...若い文人が好い加減に創作した出鱈目(でたらめ)の造語の詮索(せんさく)から句読(くとう)の末までを一々精究して際限なく気にしていた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...表Aニューカスルの水供給についての好い加減な調査以前の総合保健局は...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...自分も好い加減に退り出たいのであったが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...もう好い加減あきらめていたところへ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...金になるからとかいふことばかりで好い加減に書いたのではない...
田山録弥 「雑事」
...音楽の方はかなりまで好い加減に色々に変化させても...
寺田寅彦 「ラジオ雑感」
...これが片男波(かたおなみ)だろうと好い加減な想像を話の種に二人並んで歩いた...
夏目漱石 「行人」
...もう好い加減に話を切り上げて帰らなければならないという気がした...
夏目漱石 「明暗」
...小林から好い加減な事を云われて...
夏目漱石 「明暗」
...好い加減な頃を見計(みはから)って宗助は...
夏目漱石 「門」
...ただ朦朧(もうろう)たる頭脳から好い加減に流れ出す言語と見れば差(さ)し支(つか)えない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...好い加減な皮肉で...
牧野信一 「鏡地獄」
...好い加減なところをそつと覗いて見た...
牧野信一 「蝉」
...好い加減であらうと...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...今度は二つの黄身へ塩と砂糖を交ぜてそれを牛乳の中へ掻き混ぜるとちょうど好い加減に固まりますから...
村井弦斎 「食道楽」
...無頓着な人は好い加減なのを穿いて行く...
森鴎外 「百物語」
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